18日、日曜日の午後、Piccadillyで見ました。
恰好の父の日映画、のような宣伝をしていたのだが、実は「父」と娘のおはなしではないのだった。
でも、"(500) Days of Summer" (2009) のMarc Webbの映画なので、どっちにしたって見るの。
Mary (Mckenna Grace) とFrank (Chris Evans)と片目猫のFredは一緒に幸せに暮らしてて、7歳になったMaryは初めて学校に通うところで、パパ(じゃないけど)のFrankは少し心配で、Maryは小学校の算数の授業なんてたるくてやってらんない、て態度だし、気に食わないいじめっこに突っかかって相手の鼻折っちゃうし、やっぱり問題起こして、でもMaryの算数というより数学の才能がとんでもなくて、びっくりした担任があれこれ調べてみると、彼女の亡くなった母Dianeはボストンでナビエ - ストークス方程式の解決にあと一歩まで迫っていた数学者だったこととか、Frankは父親ではなくて彼女の叔父であることがわかって、これはそういう特殊な才能を持った子供向けの教育を受けさせたほうがよいのでは、となったところで、彼女の祖母 - Evelyn (Lindsay Duncan)がどこかから現れて、やっぱりそうよねその時が来たわ、ていう。
Evelynもかつては数学者で、娘に数学の夢を託していて、この孫となら再び、と燃えあがるのだが、Dianeに何があったかを知っているFrankは、まず普通の教育を受けさせるべき、とそれを拒んで、そしたらEvelynはMaryの面倒を見る権利を巡って訴訟を起こすの。
ものすごくよくできた娘とちょっと弱くて頼りないパパのお話、というと最近のだと"I am Sam" (2001) が浮かんで、確かにあそこのDakota FanningとここのMckenna Graceはなんか似ているのだが、あっちが娘と父の危なっかしいシーソーゲームだったのに対して、こっちは娘を中心にしたおしくらまんじゅうの取り合いで、どっちにしてもよいこは大変なんだねえ、とか思ったりする。
いまどき珍しくなーんのひねりもあんぐりの修羅場もない、誰の目にも結果が明らかで納得できるかっちりした長屋のホームドラマで、やさしいパパ(じゃないけど)と、おっちょこちょいでFrankを好きになっていく担任教師と、過剰な愛でつんけんしている祖母と、訴訟の過程で明らかになっていく悲しい過去と冷酷な結果と、ちょっと乱暴だけど頼もしい近所のおばちゃん (Octavia Spencer)と、そういうのに囲まれてみんなが世話をやきたくなるMaryはすくすく育っていくし、どんな子供だって"Gifted"なのよね、て誰もが思うに決まっている。
それにしてもChris Evansの抜群の安定感というか、Captain Americaとしかいいようのない頼もしい笑顔はもうなんかたまんないし、彼がシェルターに突撃して猫3匹を危機一髪で救うとこなんてあんたそれずるいわ、くらいなのだけど、Captain America(じゃない)をあそこの位置に持ってきたのはよかったのか、とか思わないでもない。 かつてはボストンで哲学を教えてて、Maryの世話をしながらマイアミでボートの修理工をしていて、金曜の晩だけひとりバーでぼーっとしている、そんな男があんなふうにいたりするもんなのか。 哲学教師崩れなんてJoaquin Phoenixくらい危なっかしいのでちょうどよいのではないか、とか。
Chris Evansって、このままじゃTom Cruiseみたいになっちゃうぞ - それがどうした、だが。
あと、これが数学じゃなくて、体育だったらどうか、とか、それぞれの性別が逆だったらとか、どうでもいいこともいっぱい考えた。
BBC2でずっとGlastonburyやってる。 来年はまってろ。
6.23.2017
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