6.13.2017

[music] The Wedding Present: 30th anniversary of "George Best"

10日の土曜日の晩、Roundhouse、ていう割と大きいホール(こないだMark Almondの還暦記念ライブやってた)で見ました。
"George Best"のリリース30周年記念の完全再現ライブ。
日本でもつい先週、30周年を武道館でお祝いしたちょっと素敵なバンドがありましたが、ここんとここんな30周年ばかりな気がする。

"George Best"が出た頃って、こんなのOrange Juiceのコピーじゃん、くらいにしか思えなくて余りきちんと聴かなかったのだが、今となってはとってもエバーグリーンな青春の一枚になっていることは疑いようがない。 じっさい緑だし。

行くのどうしようか直前まで悩んでいて、前日に見たら2階の椅子席の一番前が空いていたので取った。
9時くらい、ちょうど前座が終わったあたりで小屋に着いて、男性トイレの列が女性のに比べると圧倒的に長く伸びてて、それがどうした、なんだけど、要はそういう連中に支えられてきたバンドの、そういう音なんだよねー。

サポートのキーボードの女性を入れた5人編成でキーボード中心のしっとりめの曲から入って、最初の40分くらいは新しい曲をさらさら流していく。 まあそうだろうな、逆にしたらみんな帰っちゃうかもしれないし。 客はフロアいっぱいにびっちり、だったのだが、この前半部分、はしゃいで跳ねているのはステージ前の4畳半ぶんくらいの人たちで、残りはホームゲームで点を取られた人たちみたいに静まり返って立ち尽くしててぜんぜん動かない。 わからないでもないよ。 みんな年寄りだし体力残しておきたいんだよね。

この前半、曲もその構成も展開もとってもざっくり深くて気持ちよくて、この人たち、地味だけど音楽的にはほんとに着実に変化して進化して強くなっているよねえ、て感心した。今更ながら。 
そして、いつも思うことだなこれ、とも思いつつ。

で、唐突に."Everyone Thinks He Looks Daft"が鳴りだすとステージ前の4畳半が8畳くらいになって、だんだんに広がって30畳くらいにはなった。
このバンドを最初に見たのは90年代、NYのCBGB(もうないよ)で、そのあとはO-Nestとか、小さい小屋ばかりでだったのだが、でっかい、鳴りのよいホールで聴くとギターのがりがりがものすごく気持ちよいことを初めて発見したかも。 特に"A Million Miles"とか"My Favourite Dress"とかのイントロのギター。

前方のモッシュで汗だくでぎゅうぎゅうやっているのはどこからどうみてもおっさんばかりで、そのうちサーフィンまでやるようになって、前方柵の前に押し出されたあと、汗まみれの茹だった状態で自分の娘や息子みたいな連中に誘導されているのを見ると、ううむ、て思った。
あと数年後、いろんなとこでリアルグランジの連中の再現ライブが始まった頃が見ものだよね。 あと40周年、(あるのか?)とか。

A面が終わったとこで、「次の曲はCDにはない、オリジナルのVinylにしか入っていない曲です」 - 「うそです」とか。
あーでも、"Getting Nowhere Fast"はやってほしかったなー。

アルバムひと通り終わって、いつものようにGedgeからアンコールはやりませんからね、ありがと、ばいばい、のあと、渾身としか言いようのない”Kennedy"が思いっきり振りおろされて転がっていって、それはこれまでのライブで聴いたどんな"Kennedy"よりもかっこよくどかどか鳴って、中盤の大合唱もそれはそれは感動的で、泣きそうだった。

もうじき"George Best"のドキュメンタリー映像と、バンドのハードカバーの歴史本が出るよ。

帰りはみんな相当によれよれに疲弊してて、地下鉄の階段思いっきり踏み外したり(たぶん、ものすごい音だった)、たいへんそうだった。
どこかでまた会おうね。

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