10.20.2012

[film] La Crise Est Finie (1934)

12日、土曜日のお昼に見ました。『不景気は終わった』
ナチスの迫害を逃れてドイツからアメリカに亡命したRobert Siodmakが渡上のパリで撮った作品。 無字幕フランス語でもへっちゃらさ。楽しいったら。

舞台歌手のニコール(Danielle Darrieux - まだ17歳。ぴちぴち)はいっつも傲慢女優のスタンバイでくすぶってて、やっと出番がきたと思ったらそいつが戻ってきたのでがっかりして、腹いせで嫌がらせ悪戯してやったらめちゃくちゃ怒られてクビになるの。 でも日頃のそいつの傲慢さにあったまきてた他の劇団員もつられて辞めちゃって、みんなで「パリだ、パリに行こう♪」て歌いながら意気揚々と上京するの。

でもみんな無一文なので、不景気で閉鎖されてた劇場に寝泊まりしながら、電球とか看板文字盗んだりいろんな悪いことして上演実現に向けてがんばるの。ニコールはピアノ借りるためにピアノ屋のおやじ(ちょび髭でぶ)のセクハラ呑みに付きあったりやなこともいっぱいあるけどがんばるの。

なんとか上演初日を迎えることができて、それに向けてニコールはママを田舎から呼びよせるのだが、ママはその劇場の場所がわかんなくてそこらのパリの人に訊ねてまわる。 するってーと「エリゼ=クリシー劇場てどこ?」「エリゼ=クリシー?」「どこそれ?エリゼ=クリシー?」ってRTが大拡散して大量の人々がわらわら劇場に押し寄せてしまい(とんでもない人波の空撮)、大盛況になってめでたしめでたし、と。

歌もいっぱい出てくるし、Danielle Darrieuxも眩しいくらいきらきらで素敵なのだが、あまりに強引かつ適当な筋展開にびっくりしているうちに終っちゃうのだった。
でもいいんだ、こうして「不景気は終わった」のだから。

Robert Siodmak監督はこの後アメリカでフィルム・ノワールの名作を沢山撮った、ということになっているのだが、このうち自分が見たことあるのは"Cobra Woman" (1944)ていうやつだけだった。 これも相当変な映画であったのう….

映画の後にジャン=マルク・ラランヌ先生によるフランス映画とシャンソンを概観総括する講演があって、とってもお勉強になりました。 ものすごーくどまんなかだった気もするが。
ドゥミだし、ゴダールはやっぱしだし、カラックスはあれとあれしかないし。

ドゥミと言えば、この講演でもかかった"Lola"の修復決定版がMOMAで10周年を迎えた"To Save and Project"(修復された映画を片っ端から上映しまくる祭)で、10/12に上映されて、アヌーク・エーメさんが挨拶したんだって。見たかったなあ。 "Lola"ってほんとにほんとに大好きなの。

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