27日木曜日の晩は、いちんちくらい仕事のおつきあいをちゃんとせねば、と思って備えていたのになくなってしまった。
しかたがないので、Williamsburgに出て、猫店ふたつ(レコード屋と本屋)をまわって、マンハッタンに戻ってOther Musicで遊んでいるうちにMercury LoungeでCorin Tucker Bandのライブがあったことを思い出したのだが、体力的にちょっと無理かもと弱気になり、結局Film Forumに篭ってこれ見ました。 『ダイヤルMを廻せ!』 (よくみると変な邦題かも)
今回の滞在中のFilm Forumは見たことあるやつばっかしでちょっとがっかしだったのだが、そういえばこれは見たことなかった。 こんなクラシックすらも見たことねえの。
元々当時の3Dで作られた作品で(それすら知らなかった)、これをデジタルリストレーションした。 ついでに3Dのとこも、どうやってやるのか見当もつかないけど、今の3D技術のそれに焼き直したと。 だから配られたメガネも、Dolbyのちゃんとしたやつだった。
デジタル化には相当苦労したそうだが、これがNew Yorkのみ、9日間だけ上映されると。
50年代の夢のような総天然色が3Dになって目の前に。 冒頭のGrace Kellyのドレスの滲んだような赤が、それはそれは生々しく美しく迫ってくるの。もちろんGrace Kellyのつーんとしたのも。
こういうデジタルプロジェクションもあるのだねえ、と思いました。
ダイヤル"M"のとこのへっこんだ質感とか、なんといっても惨劇の場面のこっちにぴーんと伸びてくる彼女の手指とか、唸らされるのだった。
お話しのほうは、いろんな男達がよってたかってGrace Kellyをいじめまくるやつで(だから"M"なのか)、3Dのなかでは彼女ひとりが突出して浮かびあがってみえるから、嫌疑をかけられたってしょうがないか、とか。
それ以外は会話がやたら多くて眠くなるのだったが、それもヒッチコックの手のうちだったということで。
とにかくこの3Dは必見だと思いましたの。
10.04.2012
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