もう外は雪でしろいよ。
まだ日曜日の夕方。
映画館には4:30くらいに着いたのだが、4:50の回は既に売り切れてて、5:30の回にする。
この作品、TVでは宣伝をがんがん流しているくせに、上映館はまだマンハッタンでふたつくらい。
そういう戦略なのだろうけど、なんかめんどくさいねえ。
予告でTerrence Malickの新作"The Tree of Life"がかかってもりあがる。
今度のも大風呂敷っぽくてうれしい。 Terrence Malick特有の、道路とかがまた。
Darren Aronofskyの"The Wrestler"(2008)の次がこの作品、と聞いてなんかいやーなかんじをもったひと(特にバレエファン)は少なくないのではないか。 だって、プロレスの次はバレエって、あんましじゃねえか。
どっちもショービズの世界、かもしれんが、なりたちも文化も求められる美の様式も、それぞれぜんぜんちがうのよ。 そこをまちがったりとりちがえたりしたら全壊よ。
まあ原作はぜんぜん別にあるようなのでだいじょうぶか、と。
新Productionの"Swan Lake"の公演を前に、Swan Queenを目指すNina(Natalie Portman)と鬼コーチ(Vincent Cassel)とべったりママと、とうぜんのようにライバルがいて、交替される旧プリマ(Winona Ryder)がいて、それらの間の、がちがちの人間模様そのたあれこれがあって。
Ninaはずっとよいこで、ダンスもそれなりに上手いのだが、デーモニッシュな迫力に欠ける。コーチはそれを指摘するし、Ninaもそれをじゅうぶんわかっている。 でも、わかっていてもできない、その苛立ちとプレッシャーが先の人間関係のなかで、強迫観念となってNina自身を少しづつ変容させていく。
その変容が上演する"Swan Lake"のテーマそのものともうまく調和、というかシンクロしていて、バレエの完成とともに、本番の幕開けと共に、それは・・・
ええ、ものすごく正調の、正統の、少女漫画であり、バックステージもの、でもある。
(山岸涼子のなまえは-もう何年も読んでいないけど- みんな挙げるよね)
少女の一途な思いが全てをドライブし、最後の最後にそれら全てを結晶として封じこめる。
ただそれだけで、それで十分なの。 バレリーナを目指す若い子はみんな見るとよいわ。
でも、それにしては。 怖すぎるんだよう。
爪とか皮とか、特に鶏皮のぷちぷちがだめなひととかは、やめといたほうがいい。
爪とか皮膚とかの間になんかが食いこんでぶちぶちぎぃー、とかいうのが嫌なひとは、やめといたほうがいい。
終盤、とくにWinonaに会いにいったあたりからの怒涛の展開はホラー以外のなにものでもなくて、あまりの押しの強さとくどさに、場内からは笑いがでるくらいだった。 横にいたおねえさんは、頭抱えてそのまま前のめりになって固まってしまった。(みてておもしろかった)
要するに、この程度の恐怖を克服しないことには、バレリーナなんてなれないんだよ、
てこと? ちがう?
あの、ステージに立たねば、という強い強い思いが最後、主人公に奇跡の飛翔をもたらす、というのは前作とおなじような気もするが、それはそういうもの、という程度にとどめておこう。
彼女の所属するバレエ団は、方角からするとCity Balletのほうで、だとすると鬼コーチはBalanchineのはずで、でもCity Balletって、そんなにがちがちでもないし、そんなにうまいひといないよね(失言)。
バレエのConsultingは(End creditによると)、ABTの現PrincipalであるGillian Murphyさん。
90年代から彼女を見守ってきたものとしては、偉くなったねえ、よかったねえ、とおもう。(←なにさまだよ)
これは映画で、バレエそのものではないので、バレエの動きにかんしてはあんなもんかー、しか言えないし、言ってもしょうがないよね。 でもがんばっているとは思いましたわ。
でもこれみて、"Swan Lake"を見たとか、そういうもんだ、とはおもわないようにね。
バレエはやはりぜんぜんべつものだし、Full Lengthのライブでちゃんと見ないとだめなんですよ。
オリジナル音楽担当のClint Mansellさんは某Trent氏も指摘していた通り、チャイコフスキーの音楽を緩用しつつ、ブリリアントに全体を盛りあげていて、いかったとおもう。
Natalieさんははたしてオスカーを取れるのか、あんなこととかあんなこととかあんなことまでやっているので、そりゃあげたくなるけど、どうかしら。
プロレス→バレエときて次は一体なにを? と思ったら"The Wolverine"だって。
それであんなに爪にこだわってたのかー。
日曜版についてるNY Times MagazineのHollywood特集号、Chloë Moretzさんの豚顔がすごい。
サイトにあるvideoはそんなでもないけど。
http://www.nytimes.com/interactive/2010/12/12/magazine/14actors.html?ref=magazine#5
12.14.2010
登録:
コメントの投稿 (Atom)
0 件のコメント:
コメントを投稿
注: コメントを投稿できるのは、このブログのメンバーだけです。