10月の来日公演のリベンジざんす。
凄腕の同志Mがカーネギーの前から2列目を取ってくれていて、正しくは来るはずだったひとが来なかったのでそのおこぼれがまわってきた、というだけなのだが、ありがたいことはありがたい。
来日公演は仕事のせいで帰国できなかった。 だから今回はライブのあいだ、仕事のメールが何百通来ようが、どんなに携帯が鳴ろうとも相手にしないことにする。
そのうちこういうツケが雪だるまになって・・・(涙)
この日は他に、Terminal5でThe New Pornographersがあって、ヴィレッジのLe Poisson Rougeでは、"Yuka & Miho cover Cibo Matto"という、要はCibo Mattoだろあんたら、というのがあって、これにMike Wattさんとか、Dougie Bowneさんとか、Nels Clineさんが出ていたのだった。
でも、やっぱしカーネギーかな、ということで。
席は上のほうまでびっちり埋まっていました。
前のほうにいると上がどこまでって見えないんだけどね(←得意)。
ステージ上にはピアノ一台だけ。
8:10くらいに暗くなって、カーネギーの扉がぎぃーっと(そんなには鳴らないけど、そんなかんじで)開いて寝巻きみたいな着物みたいのを纏ったでっかいひとが幽霊みたいにピアノのほうに歩いていって新譜の"All Days Are Nights: Songs for Lulu" (ごめんなさいきいてない)から。 これは日本とおなじ(ね?)。
ものすごくでっかく、鐘のように響く声でした。 ステージに近かった、というのもあるし、カーネギーだからよく響く、というのもあるのだろうが、この日の彼はこれまで聴いたことがないくらいにゆったりと安定していた。
時としてピアノの打鍵を飛びこえて勝手に走っていってしまうようなところもあったが、それはいつものことだし、後半のテンションと力強さときたらなにかの宗教的な確信でもって吠えているかのようだった。
背景に映されていた「わらじむしみたいなまぶた」アートについては、新譜のタイトルである"All Days Are Nights"や、母の死、Lulu= Louise Brooksなどから、いろんなことが言えるとおもうのだが、まずはちゃんと聴いてからね。
拍手もくしゃみもできないびりびりの緊張感に包まれた第一部の後で20分くらい休憩があって、続いて第二部。 開口一番、「第一部が終わってくれてよかったー」だって。 (←じゃあやるなよ)
まずは自身のピアノで3曲。
"Gray Gardens"〜"Memphis Skyline"がすばらし。
晩奏のピアノでJudyを4曲。
この第二部でも、とくにJudyでびっくり、だったのだが、彼のヴォーカルはとてつもないレベルにあった。
Oyster BarのNew England Clam Chowderで「あたり」がでたときのかんじ、いや、あんなもんよか断然すごい。これまで聴いてきた彼のライブのなかで声量、きめ細かさ、ひっくり返るときの安定度、なども含めて、まちがいなくベスト、エモーショナルな水飴としてどこまでも自在にのびていった。
それから自身のピアノで”The Art Teacher”。
ここでMarthaを呼んで、(翌日はモントリオール公演だし、と)フランス語のを2曲、Josephine Bakerのと映画"French Cancan"から1曲。 Marthaのフランス語にくらべるとRufusの発音はあんましかも。
そして一緒に"Hallelujah"。 しかしなんで"Hallelujah"の途中で咳きこむかねこいつは・・
そのあと、またひとりで3曲(くらいだった?)。
アンコールは2回、1回目のアンコールの"Poses"で、Marthaが息子(Rufusの甥っこね)を抱えて再登場して一緒に歌う。
あと、パパ(Loudon)とママ(Kate)がWoodstockかどこかで作った曲、ということで"Walking Song" (1975)を。 とってもよい曲で、これで彼の家族全員が物理のも天上のも含めてちゃんと壇上にあがったことになった。
いつも思うのだが、このひとがこういうこと(家族を大切に)をしても嫌なかんじにならないのは何故なんだろうね。
で、そんな会場の家族みんなに向けて、彼のオペラ”Prima Donna”が、2012年City Opera(Metのほうじゃなくて残念だったねえ)で上演されるの、というのが報告されて、あと、「婚約しちゃったんだー、ほらこれがリング」ていうのもあった。 よかったねえー。
でもそろそろバンドでの変態ものもおねがい。
写真は妹と甥。 本人のは近すぎてまっしろだったのでボツ。
12.08.2010
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