12.20.2010

[music] Prince 'Welcome 2 America' -Dec.18

”1900”から”1999”のほうへ。

あんまし報われなかった2010年をしめくくるのはこれしかない。
Princeの"Welcome 2 America"と題したツアーの、NJからつづく3回目。
チケットは早めに売り切れていたのだが、Ticketmasterは何度かやっているとたまに引っかかることがあって、それを日々やっているうちに$200のが釣れた。

これでもステージの後ろ側の上のほうで、さすがに躊躇したが、もういいや、年忘れだし、と取ってしまったのだった。 でも取ったあとでも延々後悔したり開きなおったり。

でもいいの。あの男なら。裏切られたって。
そして、彼のライブを経験したことのある我々は、ぜったいにだいじょうぶだ、ということを知っているのだ。 

だかやがて、そうやって悶々としていた我々のもとに、18日のみSheila E.がゲストで参加する(本編のライブのほうに)というニュースが届き、ああ買ってよかったありがとうかみさま! と思ったのだった。

着ていく衣装なんてもちろん、ない。 靴下だけ、いちおう紫色にした。

映画が終ってMOMAを出たとこで、7:30だった。
たしかライブの開始も7:30だったはずだ。 というわけで走る。
いちばん最初はコメディアン(Sinbad) のおしゃべりだったからいいの。

でも2番手のGraham Central Stationはみたいよね。

Madison Square Gardenはリノベしたという話だったが、なにが変わったのかわからないくらい、変わっていない。

ステージはまんなかで、あのPrinceマークの形をしてて、その男と女とおかまの穴のとこにドラムセットとかが入っている。座ったのはそのま裏、裏でも来てくれるよね。

Graham Central Stationはもうはじまってて、自分たちのをひと通りやったあとで、Larry Graham先生が、この会場で最後にライブをしたのは、あのバンドにいた頃じゃった・・・ タイムマシーンに乗って、あの頃に戻ってみようじゃないか、と。(ばんざーい!!) 
というわけで、タイムマシーンの音(チロリロ…)のあとで、Sly & the Family Stoneのメドレーがはじまる。

"Everyday People"やって、"Dance To The Music"やって、ああほんものの、あのベースだあ、とかぶるぶる震えまくり、"Thank You (Falettinme Be Mice Elf Agin)"の演奏の途中で、バンドが演奏しながらステージから客席の通路のほうに降りてきたのでそのまま消えてもう終わりかとおもったの。

そしたら突然にドラムスの音がぶっとくなり、ざわざわしたと思ったらステージの中央に細い黒マントと黒帽子のシルエットが!!!

というわけで、Graham Central StationにPrince(+彼のバンドの一部)が入ってSlyの曲をやる、という吐きそうなくらいにすばらしい展開になって、客席は大騒ぎのパニックにおちいる。
この後、更に"I Want to Take You Higher"、までやって、ぐしゃぐしゃにかき回してすうっと消えていった。 

どうしよう。これだけやってもまだ前座だなんて。 

本編がはじまったのは9時10分くらいか。
前座からずうっとわあわあ言ってはしゃいでぐったりしてきていたので、導入のとこはそんなには来ない。 ほとんどまっくらだったし。少しはセーブしておかないと。

3曲目くらいまでは軽い紹介、というかんじで、そのあと再びまっくらになり、あのオルガンの、ながいながいイントロが続き、"Dearly beloved"のフレーズがちょっと響いただけで、客席は再び沸騰状態になる。

間に"Delirious"をはさんで、ノンストップで"1999"になだれこむ。 殺す気か。

ここからはもう夢のようで、あんま書くこともないか。
ひたすら圧巻で、心地よくて、よだれたらしてた。

”U Got the Look”でSheila E.さんが出てきて、まあずうっと大騒ぎで、それはそのまま”The Glamorous Life”までいく。
スティックをほいほい飛ばしながらのパーカッション乱れ打ちはすごかった。終わりにスネアをがーんと背負い投げしていった。 かっこいいねえ。

ここで彼女はいったんひっこんで、"Nothing Compares 2 U"のあとで、クライマックスはもちろん、"Purple Rain"。

彼のギターはかつての変なシェイプのではなくて、メインはふつうのテレキャスターだった。 それでもあれだけの音がでる。

これはほんとにえんえんと続く、極楽浄土でした。
「ふぅーぅふぅー」のとこだけで5分以上やっていたかもしれない。というか我々が、やっていたのだ。やりたくて。 えんえん。帰りの地下鉄でもみんなやってた。

で、それが終って、もうだめだ、これいじょうはしゃいだら死んじゃう、とぐったり椅子に座っていたら、暗闇のなか、突然 ”Kiss”のイントロが稲妻のように響いたので、立ちあがるしかないよね。

曲の終わりのほうで「まだ帰りたくないんだ、ずっといっしょにいたいんだ」と叫び続ける彼。 そして、あの最後のダンスは、誰もが思ったとおもうが、あれはMJに捧げられたものだった。 

JBとMJ亡き後、この国を救えるのはこの男しかいない、我々ははっきりとそれを認識し、彼もまたそれを決意したのだとおもう。 ”Welcome 2 America”

アンコール2回目は、客席にいたいろんなセレブをみんなステージにあげて(しぬほどいっぱい、Naomi CampbellとかAliciaとかQuestloveとかSpike LeeとかJamie Foxxとか)、再びSheila E.をよんで、全員で"A Love Bizarre"を。
曲の最初のほうは、Sheila E.がドラムスで、Princeがベースだった。
これはお祭りで、しゃんしゃんで終った。

更にやりそうな気配もあったのだが、ここまででした。

"Little Bed Corvette"も”When Doves Cry"も”Sign 'O' the Times”もやらなかった。 やってくれなかった曲を挙げてったらきりがないのだが、それでもこれだけの快楽地獄があらわれ、血も涙も涎も沸騰してしまうことに、あらためて畏怖してしまったのだった。

しかし、さすがにぐったりした。

日曜は映画いっぽんだけ。
晩にTVで"50 First Dates" (2004)をリピートしていたので2回みてしまった。



  

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