金曜日は、穏やかなクリスマスイブで、暑くも寒くもなくて、ふん、というかんじで朝から外にでる。
この作品はなんとなくシネコンのデジタルでは見たくなくて、近所のZiegfeldていう古くて奥ゆかしいとこに行く。 このシアターのデコールはほんとに素敵なのよ。 新宿ミラノのでっかいとこをすごくゴージャスにした… ていってもわかんないか。
Coen兄弟のはあんまちゃんと見たことはなかったのだが、予告でみたJeff Bridgesがごにょごにょなに言ってるかわかんなくて、よさそうだったので。
臭みたっぷりの変な男達がいったりきたりする、というのがCoen兄弟ものに抱いてしまうイメージだったとおもうのだが、この作品の主人公はどちらかというと女の子で、彼女の仇討ちがお話の中心なの。
で、この14歳の娘っこがすごく明晰でぱきぱきしてて大人もたじたじで、そんな彼女が雇ったのが片目の飲んだくれの、昔はすごかったらしいが、いまは腕がたつかどうかはわかんないJeff Bridgesなの。
それから銃の腕はしっかりしていそうだがおしゃべりで、いろんなアクセみたいのをじゃらじゃら鳴らしててすぐにいじけて涙目になるTexas RangerのMatt Damonもついてくる。
この三人がパパの仇のJosh Brolinとその一味を追っかけるの。
季節は冬になろうとしててところどころとっても寒そうで。
あんまし緊迫感とか激情とかはあんまなくて、あくまで雇われ仕事としての追跡、でも決めるとこは決めるから、たまにこけるけど、というところがよいかんじがした。 Jeff Bridgesは最後まで言ってることが半分くらいしかわかんなかったけど、でも、そういう鳴き声の獣、と思えば別にぜんぜん。
なにがよいかって、Jeff Bridgesが片目で真顔になって静かにガンを飛ばしてくるとこと、銃をぶっ放すとこ。ほんとにぶっ放す、というかんじで撃つの。
(空に向かって撃つとこと、トンネルの向こうから撃つとこ)
あとは、Roger Deakinsの撮影。溜息がでるくらいに美しい秋〜冬の森と野原。
このためだけに劇場に足を運ぶ価値あります。
森から馬にのった熊がでてくるとこもすごくいい。
穴に落っこちたとこの顛末は勘弁しておくれよ、というかんじだったがそこはCoen兄弟だなあ、て気もした。
一応この作品は、おなじCharles Portisの小説をベースにした69年のHenry Hathaway監督の同名映画のカバー、でもあるのだが、オリジナルが主演のJohn Wayneをオスカーに導いているのと比べると、どうなのかしら。
Jeff Bridgesは結構余裕で飲んだくれのガンマンを自分の領域に引き込んでいる気がして、それはもちろんよいことなのだが。
ちなみにオリジナルではMatt Damonの役をGlen Campbellがやってて、他にはRobert DuvallとかDennis Hopperも出ている。
見たいかも。(ひょっとしたらどっかで見ていた気がしてきた…)
12.26.2010
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