日曜日のつづき。
Armory出てからMadionまで歩いて、そこからバスに乗って75thまで。
Whitney Museumで、これも宿題の展示をいくつか。
上から見た順番で。 4階→3階→2階。
"Paul Thek: Diver, A Retrospective"
http://whitney.org/Exhibitions/PaulThek
Paul Thekは1933年にBrooklynで生まれ、1988年にNew YorkでHIVでなくなった。回顧展としてはこれが最初だという。 (ほんとかよ?)
入口のとこでWarholのフィルム"Screen Tests" (1964)に撮られたThekの顔が投影されている。
しらっとしてすっきりとした好青年、というかんじ。 あまりアーティストにはみえない。
肉片をモチーフにしたオブジェ彫刻とか、剥製をつかったトーテムとか、俗悪・露悪趣味でろでろの作品を60年代から制作していて、Warholとも仲がよくて、S.ソンタグの『反解釈』はこのひとに捧げられていて、つまりCampでHippieで、知っていたのはそれくらい。
60年代当時のアートシーン、という横軸で見てもよし、Damien HarstとかのYBAsや、Mike Kelleyみたいなジャンク系といった現代作家とのリンク、という縦軸で見ることもできようが、なんかしみじみとよかったのは、水色で沢山描かれた子供の絵みたいに稚拙で素朴なドローイングだったかも。
今回の回顧のテーマである"Diver"にもつながる、無垢で無邪気で、死をも恐れずにいろんなとこにDiveしていったその精神がまっすぐにでた、それはそれはとてもきれいな、水晶のような水色なのだった。
"Charles LeDray: workworkworkworkwork"
http://whitney.org/Exhibitions/CharlesLeDray
60年シアトル生まれ、現NYベースで活動中の彫刻、オブジェ作家。てっきり、ぜったい英国のひとだと思ってた (なんで?)。
とにかく、なんでもちっちゃくて、かわいい。
洋服 - Men's Suitsのシリーズも、ガラスの食器棚とかも、ちっちゃけりゃなんでもいいのか? と問われたらふつうに「そうだよ」「そうじゃん」、とか答えそうな気がする。
アートにおけるサイズの問題、というのは決して小さくないなにかを提起しているように思うのだが、とにかくそんなのの前に、なんでも「きゃーかわいーなにこれー」で終わってしまうのだった。 だってかわいいんだもんさ。
"Modern Life: Edward Hopper and His Time"
http://whitney.org/Exhibitions/ModernLife
ほんとうは、なによりもこれを観にきたのだった。
Edward Hopperの描いた都市とその時代を同時代の画家や写真家と共に並べたもの。
写真で並んでいたのは、Paul StrandとかAlfred StieglitzとかEdward Steichenとか。
画家だと、こないだの夏に"Heat Waves in a Swamp"というタイトルで展示のあったCharles Burchfieldとか、Ben Shahnとか。
入口にあったEdward Hopperの"Queensboro Bridge"の絵がとってもいかった。
ある程度予測はしていたものの、こうやって並べてみるとHopperの絵の、或いは彼の画家としての異様さが改めて浮かびあがるかたちになっていたようにおもう。
彼の絵は、どんな小さな絵でも、遠くからみるだけでそれとわかる。
テーマの切りとりかた、対象との距離の置きかた、フレームへの納めかた、絵の暗さとその暗さのむこうにあるぼんやりとしたなにか。
近いかなーと思っていたCharles Burchfieldの絵ですら、横に並べてみると、はっきりと異なるの。
異様さの具合でいうと、ムンクのそれに近いような気もした。
その他ふつうの絵にある、わたしはこの絵の対象をまじかに見ている、その対象がリアルにここにある、というふうにではなく、わたしはこの、彼の描いた絵の世界にいる、かつてここいたことがある(のだろうか?)、ということをはっきりと、目覚めにも近いかたちで、或いは船酔いのような居心地の悪さと共にわからせる、彼の絵はそんなふうに迫ってくるのだった。
それがいったい何で、どういう種類の感慨からやって来るものなのか、自分にはまだよくわからなくて、だから彼の絵に魅かれるのかもしれない。 とか。
美術館をでて、かつて住んでいたアパートのまわりをぐるうっと散歩して、3rdのEli'sに行った。
このスーパーは、かつては毎週くらいで通っていて、値段は高いけど、野菜とか果物はほんとによいの。
チリ産のチェリー(レイニア)が袋で売っていたのでつい、買う。
手焼きのポテトチップも買う。
Russian Coffe Cakeも買う。 ここのRussian Coffee Cakeはべたべたに甘いけど、ほんとにコーヒーによく合って、おいしいの。
ほかにもいろいろ、大袋をがぶがぶに膨らませつつ、バスで西の映画館にむかいました。
12.14.2010
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