日曜日夕方の6時過ぎからArthur Pennの映画を2本。
Arthur Pennについてはほとんどしらない。 Irving Pennの弟、ということくらいしか。
"Bonnie and Clyde"もTVで子供のころに最後のほうだけ見て怖くてしぬかとおもったので見てない。
だから「アメリカン・ニューシネマ」というのも実はぜんぜんわからない。 みんなが言うから、程度にしかしらない。
でも見てみないことには、なので見てみました。
76年の"The Missouri Breaks"。 場所はモンタナのどっか。
Jack Nicholsonが馬泥棒一味の親玉で、傲慢な牧場主は怒ってMarlon Brandoのガンマンを雇って連中の退治を依頼して、という西部劇、なの。
でも、全体の雰囲気は冒頭のたんぽぽの綿毛のようにまあるくふんわかしていて、そういえばMarlon Brandoもおなじように丸くて、あんま凄腕にはみえない。
これまでに見てきた西部劇の、過去に刻印された怒りとか恨みとか呪いとか、そういう情念だの怨讐だのでぜんいん頭がおかしくなってて、更にそれらが人間関係にがちがちの縛りをいれて、そんなぎったんばったんが馬だのリアカーにのって荒野に銃声と死体の山を運んでくる、というかんじとは結構ちがう。
出てくるひとたちがみんな変な人たちであることは確かだが、なんで変なのか、誰がほんとにわるいのか、なにがいけないのか、などなどは、あまり説明されない。
けっか、Jack Nicholsonがいちばんまともに見えたりするし、実際そうなのだろう。 しかし、そういう議論をすることじたいに意味があるとも思えない。
だから、変なひとたちがだたっぴろいところでわあわあ喧嘩みたいなことしてておもしろい、で終わらせてしまうこともできて、それはたぶん正しい。
だってどこの戦争だって土地争いだっておおかたそんなもんだろ。あんな滑稽な見世もんないよ。
画面はどこを切り取ってもきれいだし、フィルムの状態もよくて、ああこんなところで暮らしたいとかずっと思って見ていました。
この映画の最後で突如Shinningのひとに化けた彼に首をかっきられてしまったMarlon Brandoの魂は、この数年後、ベトナムの奥地にこれの数段変なひととなって甦り、このときの恨みからいろんなひとの首を斬ったり吊るしたりするのであるが、最後の最後に牛刀で牛みたいにばっさりやられてしまうのは周知のこと。
それにしても、この映画のMarlon Brandoは、おっそろしく変だ。
寝ているひとの口に虫をつっこんだり、おばさんの格好して踊りながらひと殺したり。
おもしろいからいいけど、一部のひとは喜んだかもしれないけど、でもこのひとがやらなきゃいけない役だったかというと、そんなでもない気がした。
あとは、まだまだ若いRandy QuaidさんとかHarry Dean Stanton とかも出てて、ほほえましい。
音楽はJohn WIlliamsさんで、軽いバンド編成の楽曲なんかつくってて、よいかんじ。
というわけで、(例えば)日曜の晩にうっとおしいNHKの大河ドラマ見るのよりはぜんぜんよいと思ったのだった。
12.07.2010
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