2.08.2018

[music] Jeff Tweedy

3日、土曜日の晩、”Phantom Thread”のあとにBarbicanのホールで見ました。

チケットが出たのが9月の始めで、そんな先かよ、と思ったのだったがもうその日が来てしまった。当然のように売り切れている。

8時に前座のJames Elkingtonさんから。この人もアコギ1本で、初期のRichard Thompsonみたいな深くこんがらがった沼のような音を出してて、とても気持ちよかった。(この人Tweedyにも参加していたので、2016年の来日公演のときに見ていた、ことを後で知る)

つい先日、USでのツアーも発表になったJeff Tweedyさんのソロツアー。
これまで、Wilcoのライブはそれなりの数見てきて、Loose Furも見て、Tweedyも見たのだが、彼のソロは見ていなかったので。 あと最近Wilcoの最初の2枚がおまけ付きで再発されて、やっぱりいいよねー、とか。

20:50くらいに出てきて、アコギにハーモニカ、長髪のぼさぼさヒゲに牛乳瓶メガネに帽子に冬の厚着でころころ - 地下鉄の通路でのんびりバスキングしているおっさんにしか見えない。

1曲目から”Via Chicago” – “I Am Trying to Break Your Heart” – “Ashes of American Flags”とWilcoの佳曲集で、ぜんぜん問題ないの。 わかってはいても、アコギのタッチ、ハーモニカ、そこに被さる声、すべてがとてもとても柔らかく、暖かく、何度も繰り返し聴いてきたWilcoの楽曲が毛布のように、砂糖菓子のように外側と内側から包んでくれて、しみてくるのでたまんない。
この、柔らかさがたまんないやつで比較できそうなのはJoão GilbertoとかCaetano Velosoくらいかも。

このふわふわの柔らかさがWilcoというバンドにかかると、跳ねたり弾けたりアグレッシブになったりアバンギャルドになったり圧倒的なライブパフォーマンスのあれらに変わってしまう不思議。

この調子でWilcoの曲も彼のソロの曲もUncle Tupeloの曲もLoose Furの曲(”Laminated Cat”)も万遍なくやってくれるので、客からのリクエストもわんわんやってくる。でもぜんぶに応えるわけではなくて、「うちみたいにヒット曲を持ってないバンドはこういう時に弱い。ヒット曲があればそれ演ってれば満足してくれるけど、そうじゃないからなんでもかんでもあれ演ってこれ演って、って言ってくるのできりがない」て、ぶつぶつ言ったり、基本はなんでも応えて投げ返してくれるのでおもしろいったらない。 曲は忘れたが、コード進行教えてよ、っていうのにも秒速で返してた。

あとボディに鳥のハンドペイントがされた素敵なアコギは30年代の大恐慌の時に作られたギブソンので、いいだろー、って。 帽子も特注なんだから、とかなんでも教えてくれるの。 パパか。

アンコールは1回で、結構長めに6曲くらい。”California Stars”やって、”Jesus, Etc.”やって、”Kamera”やって、”Misunderstood”やって、”A Shot in the Arm”やって、あとなんだっけ?

Wilcoは今年はオフで、活動再開は2019年からだそうなので、Jeff Tweedy、見る機会があったら見ておいたほうがいいよ。

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