12日、月曜日の晩、一週間長いよう、と逃げるようにしてPicturehouseで見ました。
Disney/Pixar制作のアニメーション。 2Dだったけど3Dで見たほうがきれいで素敵だったかも。
メキシコと音楽がテーマだというのでそれなら見なきゃな、という程度で。
むかしむかし、ギター片手に歌手になりたくてたまらない若者がいて、音楽の道を追求するために妻と幼子を捨てて家を出てしまい、残された妻は悲しみに暮れながらもがんばって靴屋を興して、それ以来、その家は靴屋として繁盛して、音楽は御法度になりましたとさ。そんな家に生まれてしまったMiguelは禁じられていることは承知のうえで、やっぱりどうしても靴屋よりは音楽がやりたくて、家族からはぜったいだめ、って叱られてばかりなのだが、ある日彼は遺された昔の写真の欠片から、自分の曽祖父は国民的歌手のErnesto de la Cruz だったのではないか? と思うようになる。
だから自分はこんなに音楽に惹かれてしまうんだ、と激しく思い込んでしまったMiguelは、死者の日のお祭りのタレントショーになんとしても出たくなり、ひいじいちゃん許して、とErnesto de la Cruzのお墓に飾ってあった彼のギターを盗みに入って、そしたらバチが当たったのかなんなのか、死者の日でこっち側に渡ってくる死者の人混みのなかに自分を見つけて、どうなっちゃったのかと大慌てになる。
こうして死者の国でのMiguelの冒険が始まって、死者の国の死者はみんな骸骨さんで、そこでのMiguelは生きた人の子、ってすぐにわかってしまうので大騒ぎになるのだが、そこには曽祖母も含めて自分のご先祖一族がみんないて、Ernesto de la Cruzはそこでも大歌手で、自分の過去(誰かの記憶に残っているはずの自分の面影)を取り戻したいHéctorとも知り合って、Miguelは元の生者の国にどうしたら戻ることができるのか - それは自分の家族の過去の秘密を辿っていく旅でもあったの。
“Remember Me”ていうErnesto de la Cruzの昔のヒット曲が鍵になっていて、死者は(死者の国を介して)生きているひとの記憶のなかでいつまでも生きていくことができるもので、だから忘れないでね、というのと、その記憶はそういう歌や音楽や昔の写真を通して継がれて、紡がれていくものなのよ、って、これだけで泣いちゃうよね。
“Coco”っていうのは、Miguelのおばあちゃんの名前で、家族のなかで一番の高齢なのでずっと椅子に座ってぶつぶつ呟いててもうボケているのだが、なんで彼女の名前がタイトルになっているのか、思いだすとそれだけで(以下略)。
死者の日っていうのは日本ではお盆のことで、だからこの話は我々にもとてもよくわかる内容だと思うの。
死者はいつも自分たちの傍にいて、こっちを見ていてくれるし、だからこっちもちゃんと話しかけたりしてあげないと、とか、おじいちゃんやおばあちゃんが見ているから(ちゃんとしなきゃね)ていうのは感覚としていくつになっても残っている気がする。
(最近の、歴史を変えたがっている人たちってこの点で日本のヒトじゃないのだとおもうわ)
だからこういうの、日本でも作られてもおかしくないよね、とか思うのだが、最近近いかもこれ、って思ったのは”Kubo and the Two Strings” (2016)だったり。
極彩色でこまこま描きこまれた死者の世界の光景は圧倒的で(だから3Dのほうが)、そこにいる神の使いみたいな変な生き物たち - 特に水牛の角と鷲の翼をもったぎんぎんのでっかい虎 - がすごくよくて、死んだらあれに会えるのだとしたら死ぬのも悪くないかも、て思った。ほかにも可愛いのがちょこちょこいる。
死者の国なのでFrida Kahloが出てくる。他にもいっぱいいるよね。
ところで、昨日買ってきたSuperchunkの新譜がすばらしい。 春に向かっていく音。
2.18.2018
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