これも政治カテゴリーだと思うので、HBOのドキュメンタリー映画を続けて。
11日、日曜日の午後、BloomsburyのCurzonで見ました。
タイトル通り、Barack Obama政権と彼のチーム – 特に外交政策担当 - の2016年初からの最後の1年間の活動 – Obamaが最後にギリシャで演説をするまで - に密着したもの。
これの予告はBFIでもずっと流れていて、”The Post”と同様、見にいくのは辛かった。”The Post”の辛さは過去に達成されたことと現在とのギャップになんで? だったのに対しこっちのはついこの間のことで、あとほんの少しだったのになぜ到達できなかったのか、という敗北感がじんわりとくる。勿論自分はアメリカ国民ではないのだが、そういう話ではないの。
このチームは大統領選の敗北を受けて既に解体され失われてしまったわけだが、あと1年、彼らがやろうとしていた活動をそのまま続けていたら救われた難民の家族やシリアの子供たちはどれくらいいたのだろう、と思うとやりきれない。 特に今のガマガエル政権のロールバック - 歴史が前に向かって進むなんて大嘘だと思い知る – を見てしまうと、苦しさと無念さが多重でやってくる。
チームは大統領のBarack Obamaに、副大統領のJohn Kerryに、アメリカ合衆国国連大使のSamantha Powerに、大統領副補佐官のBen Rhodes、主にこの4名で、彼らは国連を中心にここに取りあげられただけでも、シリア問題、ボコ・ハラム、キューバ国交、広島、地球温暖化問題などなどを、基本は現地に赴いて、そこの政治家や当事者たちと話しをしたり、或は国連の議場でロシアを正面から罵倒したりもする。
まずは目の前の問題 – これは明らかになんとかしないとまずいよね - に対して動くし大統領も含めて現地で徹底的に対話をするので、アメリカの内政干渉のようなかんじはしないし、アメリカだからできること、とか元の種はアメリカが、とかいろんな言いようがあることはわかるけど、これがアメリカという国単独のお話しだったらあんな手に汗握るものにはならないと思った。
あるいはアメリカだって相当いろんな問題を抱えているし、悪いところがいっぱいあることも十分わかるし、事後の計算だってあるであろうことは承知のうえで、彼らの動きをなんでいいなー、と思うのかについて、最初のほうで大統領自身が(自身の人気の秘密に言及するかたちで)クリアに説明してくれる。お金に惹かれる人もいる、Power(権力)に惹かれる人もいる、でも人は”Story”にも惹かれるものなんだ。 アメリカの場合だと、それは「独立宣言」なのだ、と。
「独立宣言」の普遍性とその強さがベースにあるのだとしたら、それは十分に納得するし、そういうことなのか、と思うところがあるし、例えば自身もアイルランドからの移民であるSamantha Powerさんが市民権の授与式で行うスピーチとか、誰にも思い当たることだから感動的なの。普遍性というところでいうと”Citizen”というタイトルの重さと、それから非暴力。暴力はいけない、人を傷つけてはいけないというのもあって、そういうのからぶれない。シンプルであるが故の力強さ。今の時代の正義とか平和ってどういう形でありうるのだろうか、と。
ちなみに日本だって憲法という素晴らしいStoryを持っているのだが、いまのカルト政権は「明治」だの「神武」だのよくわかんないStoryを崇め奉っていて、それが現代の人権や多様性を認めようとする地点からほど遠いところにあるのにも構わず、周囲に脇目もふらずに自分たちだけでひたすら熱狂している – だからカルト、って呼ぶしかないし、気持ち悪いったらない。
映画では、時間が2016年の後ろのほうに来て、背後からガマガエルの影が忍び寄ってくるところは思いだしたくもなくて、あーあ、って何度でも溜息をついて吐きそうになってしまう。
どうでもよいけど、2016年にまだBlackberryだったのね、とか。
日本でもようやく公開が決まったらしい“I Am Not Your Negro” (2016)と併映してほしいな。
冬のオリンピックが始まっているらしいが、報道ではほとんどやらない(そういうチャンネルに行けばいくらでもやってるけど)のでとっても静かでありがたい。これでいいのよよね。
Sky(ケーブルTV)の映画チャンネルではクリスマスの時にそうだったようにValentine用のChannelが立ちあがり、どうでもいい(つまり大好き)系のラブコメ、ロマコメを大量にざぶざぶ流し続けてくれるのでとっても嬉しいの。
クリスマスのときに散々やってた(散々見た)”Love Actually”なんかValentineでもまだやってて、もう50回くらい見てる。
2.15.2018
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