13日土曜日夕方まで、メキシコシティでのあれこれ。
ルイス・バラガン邸のキャンセル待ちがだめであることがわかったあとに行ったとこを。
もともと、12日の晩にロンドンに発つつもりだったので、なんの準備も下調べもしていなくて、それを12日の晩にざーっとやった。 スペイン語はわかんないのでタクシーは無理、となると移動は地下鉄しかない。
こうして行きたいとこをピックアップしてGoogle Mapで経路を検索しても、地下鉄での行き方とか出てこないし、行きたいとこは乗り換えがいるとこばっかしなのであれこれ書き出したりめんどくさかった。
地下鉄は紙の切符一枚5ペソで、窓口で買って改札の機械に入れて通る、んだけど英語の説明書きもなんもないし、どっち方面行きかも押さえてなかったから見よう見まねでうろうろして時間が掛かってしょうがない。 それはそれで楽しいんだけどね。
地下鉄の中はなかなかワイルドですごかったかも。 ロスの地下鉄の深夜のとか、午前3時くらいのNYのN, R線とかよりもやばいかんじ。 これまで乗ったことのあるサンパウロの地下鉄とかブエノスアイレスの地下鉄と比べてもいろんな意味で濃い。 でかい音で音楽かけてるし、演奏している人もいるし、ぶつぶつ歌っている人もいるし、物売りもいるし、連結部分でガキが座って遊んでいるし、激混みなのに箱入れしてくるし、激混みなのに音たててキスしてるし、誰も白線の内側なんかで待たないし降りる人優先なんてありえないし。
あと、後で気づいたけど車輪がゴムだった。 構内があまりやかましくなかったのはそのせいか。
そんなふうにして最初に行ったのがこれ。
Palacio de Bellas Artes - 国立芸術院美術館
建物として堂々としてて、ゴージャスでかっこいいねえ。
やっていた特集展示がこれ。
http://museopalaciodebellasartes.gob.mx/OP.php
"En Esto Ver Aquello Octavio Paz y el Arte" - オクタビオ・パスと芸術?
オクタビオ・パスの業績を文学館みたいなかたちで紹介する程度かと思ったらもっとでかい規模のだった。
彼の詩や文章がリンクしていた同時代の画家達とその作品をテーマ別に展示していた。
テーマとしては、キュビズムとかマルセルデュシャンとか抽象絵画とかシュールレアリスムとか、エロとか。
MOMAとかポンビドゥーから借り出していてなんかすごい。
いちばん力が入っている(気がした)のはエロのコーナーで、ベーコンが1点、バルテュスが2点、エドワード・ホッパーもあるし、日本の春画(あれだれ?)とかも出てる。
そのコーナー以外は、ディエゴ・リベラとかタマヨのばかでかい壁画がどーん、と。
でっかすぎてよくわかんない。
で、そこを出てよりごちゃごちゃしている(ように見える)方に行ってみる。
Palacio Postal - 中央郵便局
http://www.palaciopostal.gob.mx/
郵便局跡、ではなくて今も現役の郵便局として使われていて、アールデコふうのゆるりとした階段がかっこよくて、1階はギャラリーとしても使われているらしく、むかしの戦争の写真展(たぶん)をやっていた。
Museo Nacional de Arte - 国立美術館
郵便局の斜め反対側にあったのがこれで、こいつも同じように豪勢な外観・調度の建物で、19世紀初ってすんごいバブルだったことがわかる。 入場料、中で写真撮りたいひとは追加料金を払う。
メキシコの風景画家José María Velascoの特集展示をやっていて、なかなか力強くて見事だった。 でっかいサボテンとか岩とか。 ヨーロッパの風景画とはどこかしら違って、なんか端正だけど砂っぽくて、西部劇、というか。
他の展示もざーっと見たけど、要はメキシコの絵画国宝みたいのはいっぱいあるのだが、あんまよくわかんない。 近現代のディエゴ・リベラあたり(革命前の静謐な風景画とか)はなかなかよかった。
そこを出て、更にごちゃごちゃした雑踏の方へ歩いていった。
レンガとか壁の薄ピンクとか、そこに被さるつんのめり音楽、警察や救急車のアラーム、どれも素敵。
で、各道端の蟻のごちゃごちゃが合流して広場のでっかいごちゃごちゃになって、そのつきあたりにあったのがこれ。
Catedral Metropolitana de la Ciudad de Mexico - メトロポリタン大聖堂
聖堂の中はひんやりしてて、でも黄金に輝いてて(いにしえの)カトリックすごし。 しばし休憩してすこしお祈りしてみる。 日本語だけど。
雑踏をまた元のほうに引き返して地下鉄に乗ってブエナヴィスタてとこまで来て、この建物。
Biblioteca Vasconcelos
http://www.bibliotecavasconcelos.gob.mx/
2006年にオープンした市立図書館。 市立図書館だよこれ。 市立図書館としてはたぶん世界いちかっこいい。
どういう構造になっているのかしらんが、ガラスのスタックが空まで延びていて、そこに58万冊の本が浮かんでいる。 一階フロアのまんなかにはクジラの骨格標本が浮いていて、でもそいつは本の海の底のほうを漂っているの。 本はオキアミみたいな餌なんだとおもう。
本は過度に神格化されるべきではないし、しょうもない本がたくさんあることもわかっているけど、それでも自分は紙の本が好きなので、こんなふうに津波のようにオキアミのように本があるのを見るとたまんなくなる。
近所にこんな図書館があったらなあー。 本をこそこそ破ったり傷めたりするみみっちい奴もいなくなるよ。
ソファとかがあちこちにあるのでぼーっと寛いでうとうとしたり、ガラスの床は曇りガラスなので下からは見えないんだねえ(あたりまえー)、とか。
床にぺたんと座ってちゃぶ台のようなテーブルで一緒に勉強している若者たちとか、うらやましいったらない。
せっかくなので上のほうの本棚まで行ってみる。 蔵書はふつうの市民図書館ふうだったが、高所がだめなひとにはきついかもしれない。 なにもかも嫌になったらここにきてクジラの背中にむかって飛び降りるんだわ...(うっとり)。
中庭もあるので外に出てみたかったが、すぐ出たところで高校生と思われるグループがガラスの扉に向かってずっとダンスの練習をしてて扉のところに行くと目があってしまう。 なんか恥ずかしいのでやめた。
気持ちよすぎて2時間くらいだらだらした後、地下鉄(3番線激混み)でホテルの方に戻り、公園のなかにある動物園に行こうかなあ、と少し思ったがもう4時で疲れてきたので諦めた。
今度、バラガン邸に行くときにまた。
9.16.2014
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