9.20.2014

[film] Pride (2014)

15日、月曜の晩22時、前日とおなじレスタースクエアのシネコンで見ました。
上映されたのは“Impact”て名のついたばかでかいシアターで爆音で、でも客は3組、うち1組は途中で帰ってた。

1984年夏、英国のゲイ・アクティビスト達が長期ストを実施していた英国炭坑夫組合(National Union of Mineworkers)を支援しようとLesbians and Gays Support the Miners (LGSM)を立ち上げるものの偏見とかいろいろあって大変で、でもがんばった、ていう実話。

ゲイでもなく単に写真家志望の若者Joe(George MacKay - “How I Live Now”のEddieね)は、なんとなくデモに参加したなりゆきでグループに加わることになる。 彼が連れていかれたゲイ・レズバーでがーんとなだれこんでくる”What Difference Does It Make?"でやられて、あーもうこの映画すきだ、になってしまう。 映画はその後LGSMにも加わるJoeの成長物語をひとつの軸に、少数の仲間でウェールズの炭坑に出かけてみても炭坑夫の人達は変態とか気味悪がって誰も相手にしてくれず、でも少しずつ理解者を見つけてだんだんと溶けこんで仲良くなって盛りあがっていくのだが結局。

英国得意のルーザー群衆人情劇で、美男も美女もヒーローもまったく出てこない、崩れた若者と腐れた中年に老人ばかり、Nick Waplingtonの写真みたいな光景、ファッションはもこもこ、色彩も微妙なだんだらで今からすると完全にアウトだろうが、当時は微妙に憧れていた、と白状しよう。

音楽もそうで、劇中わんわん鳴っているSoft CellもCulture ClubもYazooもBronski BeatもFrankie Goes to Hollywoodも決してかっこいいなんか、ではなかった。 なんでだかはわかんない、でもそんな英国にとっても恋い焦がれていた84年の、これがあの英国なんだわ、といろんな思ひ出と共に噛みしめたり。

群衆を描いた映画としては、実話だからしょうがない部分を差っ引いたとしてもばらけすぎててちょっと、かもしれない。 けどいいの。 俳優さんひとりひとりが素敵で愛おしくて、特にBill NighyとImelda Stauntonが無言で並んでサンドイッチ作るとこはとってもじーんとくる。

LGSMが支援のためにやったベネフィットギグ - “Pits and Perverts”の様子も少しでてくる。あのちらっと映る後頭部はたしかにJimmy Somervilleだねえ、とか。

ストは敗北に終って85年、80年代後半の英国音楽がなんで急速につまんなくなっていったのか、その辺の事情もなんとなくわかったりする。

で、最後にBilly Braggの歌う”There Is Power in a Union" (原曲は1913年作)が由緒正しく流れる。

今後、80年代英国音楽とゲイカルチャーのお勉強の必須資料となることでせう。
米国では26日から公開、日本でやってくれるのだとしたら、絶対爆音でおねがい。

ところで、先週末公開となったNick Caveせんせいの”20,000 Days on Earth”、英国では地下鉄とか街角にふつうにポスター貼ってあってなかなか盛りあがっていたが、これも日本ではむりか…


終ったら0時過ぎてて、地下鉄はなくなっていたから夜バスに乗ったらルート間違っていたのかすんごく変なところに行ってしまい、戻ったときには1:30過ぎてた。よくない。

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