6.07.2013

[log] June 05 2013 - LA

5日の水曜日のお昼、LAに着きました。 かんかん照り。夜はさむい。

機内で見た映画は2本だけでした。 9時間のフライトだと3本はむずかしいや。

最初に見たのが"Side Effects" (2013)。

インサイダー取引で4年間刑務所に入っていた夫(Channing Tatum)が出所してきて、でも妻(Rooney Mara)はなんだかぼーっとしていて、そのうち駐車場の壁に自分の運転する車で突っ込んで怪我をする。 彼女の担当になった精神科医(Jude Law)は鬱病の気があると診断し、彼女の前の担当医(Catherine Zeta-Jones)に勧められるままに新薬を処方したら、その副作用(Side Effect)で夢遊病のような症状が出始めて、その朦朧状態のなか彼女は夫を殺してしまう。 療養センターへの入院を条件に心神喪失状態での事故として彼女は無罪となるのだが、話はそう簡単にはおわらないの。

単なる新薬をめぐる医療サスペンスかと思いきや、うわー、みたいなところに転がっていくのでぜんぜん退屈しない。

Rooney Maraは"Dragon Tatoo"のときもそういうかんじはあったが、あれ以上に何考えているのかわからない不機嫌さ不気味さ(+鬱)が全開ですごい。 コメディエンヌとは正反対のいらいらを放射する、こういうの専門で行けるのではないか。

Steven Soderberghさんはこれを最後に映画監督やめる、と言っているようだが、前作の"Magic Mike"を見てこれを見ると、キャリアのピークにあるとしか思えないので、"?" しか浮かんでこない。 本作では撮影までやっていて、ここまでできるのに、なんで。

レストランのLe CirqueとかHigh Lineとかが出てくる、これもNY映画ではあるの。 鬱病とマネー、連鎖していくSide Effects、というテーマからもNYでしかありえない映画かも。 鬱のほうにどよんと反転したWoody Allen映画、のような。

音楽はThomas Newmanの圧迫された不穏な音が背後でごーごー鳴っている。

それから"Wreck-It Ralph" (2012) を。 『シュガーラッシュ』。

東京では吹き替え版しか上映されなかった。 字幕版を見るために飛行機にのる。
前も書いたけどさあ、日本語がわからない海外から来た子供たちだって東京にはいっぱいいるんだよ。 彼らのことを少しは考えてやれよ田舎モノ。
というのもあるし、主人公たちの声は、John C. ReillyとSarah Silverman以外に考えられない。 特にVanellopeはSarah Silvermanのキャラを反映したそうなので、吹き替えなんてありえないでしょ。  吹き替えも「悪くない」ってみんなよく言うけど、「悪くない」じゃだめなんだよ。 だいだい何と比べて「悪くない」とか言うんだよ?

アーケードゲームの悪役のRalphが、悪役ばっかりの生活は嫌だ、と悩んでみんなに認められるために少し暴れたら隣のアーケードゲーム「シュガーラッシュ」の世界に入りこんでしまい、そこでのけものになっていたVanellopeと組んでレースに参加しようとする。

"Toy Story"とか"Monsters, Inc"とか"Gnomeo & Juliet"とかとおなじく、子供たちの見ていないところで彼らは彼らの世界でそれなりにがんばっていて苦労もあっていろいろ大変で、その苦労や辛苦が重ければ重いほど、我々はじーんとしてしまう(おもちゃなのにここまで...) のであるが、それっていったい何の反映なんだろう? とか。

この映画に関していうと、悪役であることをプログラムされたRalphが悪役であることを悩み、善的なものに目覚める、というのはどういうことなのか、とか、アーケードゲームを跨ったキャラクターの行き来(電脳的な基盤の起源)はどこから、どうやって始まったのか、とか、そういう問いの背後に神学的なものへの誘導、みたいのが見えてしまいちょっと醒めてしまった。

でもVanellope = Sarah Silvermanがほんとうに生きているので、それだけで十分、なの。

泣ける度合でいったら、"Rise of the Guardian"のがきたんですけど。


ホテルに入ったのが昼の12時くらい、少し仕事をして、次の仕事が夕方6時だったので、時間がなくてMOCA(The Museum of Contemporary Art)に走っていったら火曜水曜は休みだった…

で、"Celeste & Jesse Forever"の冒頭でもふたりが良い悪いでぶつぶつ言い合っていたWalt Disney Concert Hall(自分はだんだん好きになってきた)を横目に見つつ坂を下り、Metroに乗ってHollywoodのほうに行った。 映画館いくつかあるはずと思っていたのだがちゃんと調べてなくて(← ばか)、Loewsのシネコンはあったけどあんまし見たいのなかったので、そのまま戻ってきてしまった。

Pershing Squareで降りて、Historic Downtownと呼ばれているエリアを散策しようと思ったのだが、昼間から道で寝ているひととか、怒鳴っているひととか、パトカーとかもいっぱいいて、とっても荒んだとこだったのでちょっとびっくりする。 ハーレムの裏手とかブルックリンの奥地とかの、ああいう ー。 でも建物のかんじはどれもすごくよいんだよ。

でもGrand Central Marketというのを見たかったので行ってみる。

http://www.grandcentralsquare.com/

1917年からあるマーケット兼フードコート。ひんやりと薄暗いなか、いろんな匂いが渦を巻いてて、どこでもなんでも、食べたら秒殺でお腹やられそうなタフなかんじがたまんない。
みんな採算とれているのかしら、食材どれくらい余ったりするのかしら、とかちょっと心配になる。

そこを出たところにAngles Flightていうケーブルカー? じゃないねケーブルないし、があったので乗った。

http://angelsflight.com/

世界一短い、ていうのは本当かどうかしらんが、2分くらいで坂を昇っておわっちゃうの。
これで片道50¢。 楽しい楽しくない、でいうと楽しい、かなあ。

という、すごく久々に観光客みたいなことして、これはこれでとっても疲れた。

晩、Conan O'BrienのTVショーにHoundmouthが出てた。 がんばってね。

で、たったいま、Late ShowにQOTSAが。 Joshがカメラ目線たっぷり、腰ふってるの。
この艶っぽさはなに? 

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