こっちから先に書いてしまおう。
当初の予定通りの11日に出国、としたときの最大の問題はなんだったかというと、12日に封切られるこいつを見ることができないことだったの。 いちんち、たった一日でよいから滞在が延びればオープニングの晩に見ることができる。 ここまで来て「世界の終り」を見ないで帰るなんて、そんな悔しくてもったいないことができようか。
自分のなかの善いひとが「わざとやっただろ」ていうのだが、この世の終りに善いも悪いもないのだからしょうがないの。 延びたら延びたで飛行機とかホテルとか大変だったんだから。(今回特に、ホテルが取れなくて移動しなきゃいけなかったんだよ)
晩の22:00にTimes SquareのRegalで見ました。
もうちょっと混んでいるかと思ったらぜんぜんだった。映画に出てくるような体型のぶよぶよしたみなさんがうーぃ、てかんじでぞろぞろ入ってくる。
映画に出てくる俳優さんはぜんぶ実名でそのまま、俳優としての自分を演じている。
最初にLAの空港でSeth RogenがJay Baruchelを迎えるところから始まって、ふたりはそのままSethの家に行ってはっぱ吸ったりビデオやったり目一杯自堕落する。
SethはそのノリでJames Francoの家でパーティやってるから行こう、みんないるし、という。
Jayはあんま乗り気ではないのだが、しかたなくFranco邸に行くと、James Francoサークルにいると思われるいろんな俳優さんがいっぱいいて、Spring Breakersで、好き放題にやっている。
そうやっていると、とてつもない轟音と共に大地震がきて、邸の前にばかでかい穴が開いてみんなその穴に落っこちたり潰されたり、Michael Ceraは特にひどいことになったりして、行き場を失ってJames Franco邸に籠ることになったのは、James Franco、Seth Rogen、Jonah Hill、Jay Baruchel、Craig Robinson。 水も食べものもあんましないし、こいつらなによりも常識がない。そのうち腹黒いDanny McBrideが入ってきたり、Emma Watsonが逃げこんでくるものの呆れて出て行っちゃったり、家のなかもぼろぼろになっていく。
これって黙示録そのままだ世界が終わるんだ!とJayが言って、実際そのとおりに災いだの悪魔だのがどかどかやってくる。 これがLAだけで起こっているのか地球規模の災厄なのかはわからない(そんなのどうでもいい)。 終りなんだから助けも救いもあるわけがない。
よいヒトは天国に行けて、悪いヒトは地獄におちる。 友達であろうとなかろうと。
だれがどっち、は書きませんけど、ほぼみんなが思うであろうそのままのかんじなのがおかしい。
元はSethとJayが作ったShort - "Jay and Seth Versus the Apocalypse" (2007) - 未見 - がベースになっているそうで、もし世界の終りがきたら、こいつはこっちだしあいつはあっちだよな、と仕分けたり、こんなんなったりして、とかやりあっているうちに形になっていったのではないか。
だがしかし、スケールやや大きめの内輪受けや小ネタに終始しているかというと決してそんなことはなくて、世界の終りに向かうノンストップのじたばたと"Buddy"達の行方をしっかりと、逃げ場なしの、世に向けた最後のギャグとしてぶっ放そうとしている。 Hollywoodの実録モノ、というスタイルにしたのは、登場人物やそれぞれの関係紹介を端折って、世界の終りにまっすぐに向かわせるのに丁度よかったのかも。
(ほんとはこの辺て、Kevin Smithの得意エリアのはずだったのだが、たぶん最近の彼よりは断然)
参照される映画は"Cloverfield"にエクソシストにジェイソンに … いろいろいっぱい。
世界の終りを描いた映画ってほんとに多いし、みんな大好きだよね。
あとは当然のように来るべき"Pineapple Express 2"についての言及も。
音楽は、ほんとにてんでばらばら、ラストにでっかくサバスの"The End of The Beginning"がぶちあがる。
あと、意外にすごかったのが特撮系と音響で、コメディだからとたかくくっていたらなかなかとんでもなかった。 これならRPX(音のすごい特殊施設)のほうで見るんだったわ。
6.16.2013
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