帰ってきました。 あうあう。
最後の日曜日、虫の息だったのであんまし無理はしないことにした。
久々にBrooklyn Museumに行って見た展示がふたつ。
最後に来たのはいつだったか。まだ改修前だったはず。
最初に見たほうの展示は、アメリカのJazz Age - 黄金の20年代を当時の絵画、写真、彫刻などから概観したもの。
http://www.brooklynmuseum.org/exhibitions/youth_beauty/
どれも無垢で素朴で若くてぴかぴかと力強く、よかったねえ、みたいな印象以外にはあまりない(とびぬけて見るべきところがあるわけでもない - はっきし言って)のだが、前日のMetでのStieglitzの時代展と繋がっているテーマも多く、ヨーロッパからの構成主義からの影響(これも素朴な)とかをあちこちに見ることができておもしろかった。
あとは層が厚くて、いっぱいある。 固まったムーブメント、というよりは群発地震のようにそこここでいろんなことが起こっていたことがよくわかる内容だった。 まさに"Youth and Beauty"。
展示のトップイメージになっているLuigi LucioniによるPaul Cadmusの肖像は小さいけど見事で、あとはEdward Hopperはやはり特異に見えるとか、『優雅な生活が最高の復讐である』のGerald Murphyがまとまっていていかったとか、個々にはいろいろー。
続いて、その下のフロアでこれ。
HIDE/SEEK: Difference and Desire in American Portraiture
http://npg.si.edu/exhibit/hideseek/index.html
アメリカのモダンアートが性や性差、その穴や溝や割れ目、でこぼこに対する欲望や目線をどう扱ってきたか、それが時代やテーマごとに表現にどう反映されてきたのか、というのを正面から扱った最初の(ほんと?)展覧会、昨年秋にワシントンのSmithsonianで行われたやつの巡回。
かんじとしては、昨年Tate Modernで見た"Exposed: Voyeurism, Surveillance and the Camera"に近かったかも。 でも印象としては極めて真面目な。 秘宝館みたいのではない。
展示の冒頭にあるのがThomas Cowperthwaite EakinsによるWalt Whitmanの肖像写真。
http://www.brooklynmuseum.org/exhibitions/hide_seek/eakins.php
しょっぱなからこれなの。すごいねえ。 そこからWalholとかJasper Jonesといった60年代の前衛を経由して最近のNan GoldinとかAnnie Leibovitzあたりまで。
当然、裏に表に偏見、差別、AIDSといったテーマは反復されていく。
量も質もメジャーで、濃いのもいっぱいあって、ずうっと彷徨っているとだんだん性の不思議とその迷宮に呑みこまれていくような、それらの降って湧いてを絶えず繰り返してきたアメリカの近代、ってなんかすごいねえ、と。
まあ、奥深いよね。 それはそれは。
12.10.2011
登録:
コメントの投稿 (Atom)
0 件のコメント:
コメントを投稿
注: コメントを投稿できるのは、このブログのメンバーだけです。