2.26.2026

[film] EPiC: Elvis Presley in Concert (2025)

2月18日、金曜日の夕方、BFI IMAXで見ました。

公開前のPreviewをIMAXのみでやっていて、どの回もチケットの売れ方がすごい。老人たちがツアーのように押し寄せてノヴェルティとして配られているElvisの旗を持っている。英国のElvis狂いがすごい、というのは知っていたがこの人たちかー、って。

Baz Luhrmann監督による“Elvis” (2022)に続くElvisものの第二弾。最初のは評伝ドラマだったが、今回はコンサート・フィルムで - 監督はコンサート・フィルムでもドキュメンタリーでもない、と言っているらしいが – “Elvis”で使う用に過去のコンサート・フィルムの未公開フッテージを探していたらカンザス州の岩塩鉱山にあるワーナー・ブラザースの映画アーカイブで、35mmと8mmの映像が入った68箱の箱が発見され、でもそこには音声が付いていなかったので、別の、既存の音声ソースをあてるのにPeter Jacksonの”The Beatles: Get Back” (2021)の修復スタッフの力も借りて、ぎんぎんの装飾まみれの、Baz Luhrmann印 – あのばかばかしいエンドロールも含めて - の堂々たる”Elvis”フィルムが出来あがった、と。

Elvis Presleyその人の紹介は兵役とか映画でのキャリアを繋いで紹介するくらいで軽く、あとはラスベガスのInternational Hotelでの公演に向けたリハーサルから本番まで、曲の合間にインタビューで喋る映像も挟まるが、ほぼコンサートの怒涛の勢いと迫力が前面に出ていて、これだからIMAXで、というのは納得できる重量感。

こういうライブ・フィルムはリハーサルのも含めて大好きで、まずはバンドの方に目がいってしまうのだが、とにかくバックのTCB (Taking Care of Business) Band - James Burton, Jerry Scheff, Ron Tuttらの音がばさばさでっかくてウォールオブサウンドのオーケストラですばらしくて痺れて、でもそれ以上にそこに乗っかるElvisの声もまた波のように自在で、全体としてモンスター大戦争みたいな隙間のない重量感。 しなやかなんだか垂れ流しなんだかわからないが、どんな歌でも彼が声を発すれば、それはどんなぐだぐだでもとにかく歌になって流れてくる不思議さ。

歌っているシーン以外のインタビューや語りの部分もあるが、それらは全体としてはあまりに軽くてバカっぽくて - 「わたしはただのエンターテイナーです」「わかりません言えません」を本当になんも考えてなさそうな顔でいうので、この辺は”Elvis”にも出てきたマネージャーTom Parkerによる圧力、抑圧があったのだろう、と思って、ただそんなことも歌が始まればどうでもよくなる、そういう闇雲で破天荒な抱擁力があって、あの場にいた女性たちはこれにやられたのだろう、と。これらの熱狂的な女性たちの間に、一瞬Priscillaと娘も映ったりするのだが、誰という言及はなくて、はいはいKingなのね、って思った。終わったら当たり前に拍手喝采だし。

こんなライブを多いときは1日10回、数千回までこなして、その間北米から外には一切出なかった、と。化け物みたいな – よくわかんないけどなんかすごい、音楽フィルムとしては”Becoming Led Zeppelin” (2025)に並ぶやつだと思うが、ショウビズという衣を纏っている分、こっちの方が異様でわけわかんなくてびっくりする。

こういうライブ映像を見る時って、かっこいいー!っていうのがまず来るかそうでないか、が結構大きいと思うのだが、このフィルムに関してはもちろんそういうのはなくて、でも音楽の強さ – 特にスタンダード - “You Don’t Have to Say You Love Me”とか“You’ve Lost That Loving Feeling”とか”Always On My Mind”などを歌うときに津波のように押し寄せてくるあれらは何なのか、これらが本能に近いところ、動物的ななにかを突いて襲いかかってくるの。

日本のIMAXでこれをどこまで上映できるのか、はわかんないけど、日本なら樋口さんの爆音があるのでそこでかかってくれることを祈りたい。

Elvisと同じようなことをやって/やれてしまう歌手がこの世界にはまだひとりいて、Morrisseyっていうのだが、今週末に見れる.. だろうか。明日からクラクフに飛んで、アウシュヴィッツに行くのだが…

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