9.05.2017

[film] Rough Night (2017)

8月31日、木曜日の晩、Islingtonのシネコンでみました。
まだ公開されて間もないのにロンドンの繁華街ではもう上映されていないの。

2006年、大学の同窓のJess (Scarlett Johansson) , Alice (Jillian Bell), Frankie (Ilana Glazer), Blair (Zoe Kravitz)の4人はバカなパーティで絆を確かめあって、そこから10年後、Jessは政治家になるべく奮闘していて、更に恋人のPeter (Paul W. Downs)と結婚しようとしていて、AliceはそんなJessのために週末、マイアミでのリユニオンを計画して、4人とオーストラリアからPippa (Kate McKinnon)が参加する。 ビーチ沿いの一軒家を借りてドラッグでハイになってお約束の男ストリッパーを呼んだら、そいつがちょっとタチ悪い奴でJessが困ってしまったのでAliceが横に無理やり入って、そしたらそいつは家具に頭ぶつけて簡単に死んじゃうの。 で、どうするどうするでパニックになり、でもドラッグやってるのでまともな方向にはいかなくて、とりあえず全員の携帯を捨てて、弁護士のおじさんのところに連絡したらとにかく死体を隠しとけ、というので、更にじたばたするのだが、隣の邸宅に住むエロしか頭にないようなDemi MooreとTy Burrellのカップルが絡んできたり、地元からは突然Jessと電話が通じなくなったPeterがやはりパニックになって、オムツ巻いてRedBullがぶ飲みしながら夜通し車で向かってこようとしていて、そんな彼らにとって最悪の週末になるか、なのだが果たして -

単になんとか死体を片づけて、なかったことにしてよかったよかった、じゃなくて、もういっこ大きなうねりがきて、簡単には終わらせてくれないとこもよいかも。

全体としてお下劣な下ネタのオンパレードだし、きゃーきゃーやかましすぎるし、死体ころがしを含めてストーリーもやや荒唐無稽すぎるし不謹慎かも(そうは思わないけどね)だし、打ち切りになりそうな理由はなんとなくわかるのだが、でもおもしろいよ。
真面目で人目を気にしてばかりのJess, 愛されたくて愛したくてたまらない暴走お姉さん肌のAlice, 腕組みアクティビストのFrankie, セレブ妻だけど満たされてないBlair, どこまでも得体の知れない異邦人のPippa, 思いこんだら一直線シンプルバカのPeter,  とかキャラクター置いたらそれぞれ勝手に動きだしてしまうかんじが心地よいし、こういうのってこれくらい過剰でちょうどよいの。

女の子のドラマとしては誰が誰のことを想っているのか、とかそれが裏切られたときの痛さ切なさとか、その果ての闇とかまでちゃんと描けているので、悪くないし、反対に出てくる男どもはどいつもこいつもしょうもないバカばっかしなので、なんだかとっても気持ちがよいの。
例えば同系の"Bridesmaids" (2011)ほどの完成度はないけど、よくもこの5人を揃えたもんだと思うし、"Rough Night"なんだからこんなふうでいいんだわ。 ひょっとして女子版の"The Hangover" (2009 -2013)あたりを狙ったのかしら、と少しだけ、いま思った。

あとはどこまで行っても、なにをやってもぎこちなくて不器用なScarlett Johansson - “Ghost World"(2001)の頃からの、あああたしなにやってんだろ、のおろおろしたかんじがとってもよく出ていて、いいの。 彼女をもっとコメディで使ってあげるべき。

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