Southbank Centreの秋の文芸特集というかトークシリーズの一環というかただの本のプロモなのか、で24日、日曜日の晩にVivienne Westwoodさんのトークがあった。
わたしは、Johnny Rottenは偉大であろうが、VivienneとMalcolmがいなければロンドンパンクはあそこまでのものにならなかったと思うものなので、生ものの彼女を見る、というのは神さまにお参りするのと同じようなかんじだったの。
客席には男も女も着飾ったきれいな人たちがわんさかいて、そのなかでなんでかひときわ輝いているママたちがそれぞれ自慢の娘たちを連れてきて同窓会みたいになっている光景があちこちで。
ステージにはこないだのル・カレのときのように演台があって、その横に向かいあったふたつの座椅子があって、手話の通訳さんふたりが立っている。
開始の19:30過ぎに"BUY LESS"てでっかく殴り書きされたTシャツに銀ラメきらきらのドレスというのか布きれというかを引き摺って元気に現れて、いきなりノートを忘れちゃったんだけどさー... って取ってきて貰って、その後も取ってきたそのメモだか紙切れだかを見たり読んだり手元の本から引用したり、老眼鏡をかけたり外したり、そしてなによりも話はあっちに飛んでこっちに飛んで、あれ言い忘れていたけどそうそう、と戻っては脱線と脱臼を繰り返し、TEDみたいなトークがふつうだと思うひとには相当にめたくたのタチの悪いプレゼンの見本みたいなやつで、こないだのル・カレの一人芝居のような静かで厳かなかんじと比べると、だいじょうぶかしらこのひと、なのだが本人は極めて安定している、というか散らかしまくってきゃーきゃー言いながらも取り乱しているかんじは微塵もなかったので、楽しく見ていられた。
最初にAlice B. Toklas の引用から入って、わたしはActivistなんだからね、と今度はJulian Assangeをリリースすべしとか間違った金融システムのことを言い、そうかと思えばLord Leighton (?) の手記やDavid Hintonから中国の詩とか絵画とか文字 - 「詩」という漢字はなにとなにからできているのかしってる? - とかそれらが如何にシンプルで美しいかを語り、再びActivistに戻って、Naomi KleinからJane Austen に話が飛んで、気候変動の危機を語り、まあとにかくめちゃくちゃで、休憩を入れずに椅子に移動してのQ&Aも、本来SNSから投げられるファンからの具体的な質問は為されないままにおしゃべりがとりとめなく続いていって、そのつんのめった状態のままとんとんとんとステージから消えていった。
で、そうやって彼女は風のように消えてしまったので、見ていた我々はひゅー、としか言いようがなくて、とにかくおもしろかったの。 パンクだよねえ、って。 そんなことは一言だって言わないし四文字言葉だって使わないのだが、おもちゃ箱のひっくり返されかたと床の散らかしっぷりは見事としか言いようがなかった。
あと、とてもすてきな声のひとだった。
メッセージは極めて明快で、"Get a Life"てことなのね。
売店でサイン本売っていたのでおみあげに買ったら"Don't Get Killed ❤️”て書いてあった。
わかったよ。
9.28.2017
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