11日、月曜日の晩、CurzonのBloomsburyで見ました。
最初はAvengersのふたり(しかも同じCaptainチームだったよね)が一緒になにやってんだろう、くらいだったのだが、割と評判がよいのと、音楽があのふたりだったので見てみた。 ものすごくよかった。
最初に"Inspired by true events"て出るの。
ワイオミングのWind River Indian Reservationの雪に覆われた平原の上を夜中、若い女性が何かから必死に走って逃げているのが冒頭。
Cory (Jeremy Renner)は地元の鳥獣保護機関のようなところで、山羊を狙う狼を撃ったりしているレンジャーで、家に帰ると息子と妻がいて、でも娘はつい最近亡くなってしまったらしく、傷ついていてどんより寡黙で、そんな彼がパトロール中に冒頭の女性と思われる遺体を見つけて通報して、しばらくするとFBIからJane (Elizabeth Olsen)が派遣されてくる。
彼女が若くて多少危なっかしいのと、女性の死に方に不審な点があったのと - レイプされており、裸足で、直接の死因は肺の凍結によるバースト - 彼の娘の死とも重なるところがあったのかもしれない - でCoryは彼女の横に付いて案内したり捜査を見たりしていくことになる。
その過程で明らかになっていくのは「保護区」に隔離されたネイティヴアメリカンの暮らしの打ち捨てられた悲惨な現実とか、森の奥に放置された誰かの死体とか肉とか、そのつらいかんじは、"Winter's Bone" (2010)の行方不明となった父親を探すかんじにも近いのだが、果たして犯人は...
途中までは犯人や証拠を探して雪原を彷徨う犯罪サスペンスぽいのだが、ある地点でいきなり沸騰して西部劇になってしまう、その転調の強度が鮮やかですごい。 馬のかわりがスノーモービルで、事故としか言いようのないとてつもない緊張感の波にのまれて、「対決」があって「裁き」がなされる。
Elizabeth Olsenの必死さも、Jeremy Renner の苦虫もこのためのものだったのかと。
そして、地表を吹く風よりも静かに、微かに流れていくNick CaveとWarren Ellisの音楽、スカスカのカントリー調の伴奏にあの声のハミングとぼそぼそした語りが被ってくると、それだけで雪の表皮が剥がれて罪と赦しの大地、みたいのがむき出しになる - 異なる風景が見えてきてしまう不思議。
からからに干からびてしまったかんじのJeremy Rennerがすばらしい。 これがTom HardyだとややWetになっちゃう気がする。
そしてラストの横並びでじーんとして、エンディングで表示されるデータに戦慄する。
9.21.2017
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