9.09.2017

[film] Pet Sematary (1989)

3日、日曜日の晩、"Night of the Demon"のしばらく後に見ました。 ホラーの修行しているかんじ。

Stephen Kingの同名小説 (1983) の映画化で、脚本もKingが書いて、葬儀のシーンで一瞬出演もしている。
医師のLouis (Dale Midkiff)とRachel (Denise Crosby)の夫婦, Ellie(女子)とGage(男子)の子供たち、グレイ猫のChurchからなるCreed家はシカゴからメインの一軒家に越してきて、大型トラックがごうごう頻繁に通り過ぎる道路脇にある以外は幸せなかんじだった。

隣家にひとりで住む老人のJud (Fred Gwynne)が家の近所の森の奥にあるPet Cemetery - "Pet Sematary"て綴り間違いされている - に案内してくれて、暫くするとLouisのところに運ばれてきた患者 - 頭ぱっくり - がこのPet Sametaryのことを言って死んじゃったり(こいつはその後も頻繁に現れてくる)変なことがおこって、今度はThanksgivingで妻と子供たちが里帰りしているときに猫のChurchが死んでいるのが見つかって、Ellieが知ったら悲しむのは明らかだったのでPet Semataryに運んでいって埋めたら翌日にChurchは戻ってくる(機嫌わるくて目の光があやしい)。

家族も実家から戻ってきて再び暮らし始めたら、今度はピクニックの最中にGageがトラックに轢かれて亡くなってしまい、家族みんなが嘆き悲しんでどん底に落ちるのだが、あそこに持っていったらひょっとして... とLouisは思うようになって。

で、実はこれの周りにRachelのかわいそうな姉の話とか、Judの語るかつてこの土地で起こった惨劇とか、複数のエピソードが渦を巻いていて、この狂ったさまが単一のなにかではないかもしれないことを示すのだが、だからと言って悲しみの総量が減ってくれるわけではないし、そんなのどうでもいいから息子を返してくれ、てLouiseはおかしくなっていく。

ペットのネコが墓場から蘇って化け猫のようにゾンビのように... ていうような類のホラーかと思っていたのだが、ぜんぜんちがった。
どちらかというと古典的な怪談のようで、ほんとうに愛していた人が亡くなって、戻ってきてほしいよう、と切実に願うと、願いすぎると、いったいどんなことが起こってしまうのか、って。 或はその狂おしい願いや想いは「向こう側」から見るとどんなふうに見えてしまうのか、とか。

これも"Salem's Lot"に少し見られたイノセンスの暴走とかいろんなかけ間違いが巻き起こす悲劇、と見るべきなのか、いや別にただただ起こっただけのことなのだ、と見るべきなのか。 やりきれないのは誰もみんな、なにひとつ悪くないってことなの。ちょっとだけ想いが強すぎる、というだけなのに。

なので、どこまで行っても見えない向こう側、というのはあるけど、どこからか湧きあがってくるような理不尽な怖さはあんまなくて、あのかわいそうな終わり方しかないのかなあ、くらい。

戻ってきてよう系のホラーというとジョナサン・キャロルの「死者の書」が大好きなのだが、あの世界もちょっと思い出した。

監督はMadonnaのPVで有名な人で、これのオファーも"Like a Prayer"の編集をしているときに来たって、なんかすごい。

エンドロールでRamonesが流れる。
いまの彼らを思うと ”I don't want to be buried in a Pet Sematary - I don't want to live my life again" ていうのもまた、切ない..

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