5日の火曜日の晩にBFIで見ました。 "Stephen King’s Picks"からの1本。 35mmでの上映。
冒頭、NYのUpstateの雪山で、家族でバケーションに来ていた作曲家のJohn Russell (George C. Scott)の妻と娘が突然の事故で亡くなってしまい、NY(ジュリアードのあたり)に戻っても力が抜けてどうしようもないのでシアトルに引っ越すことにする。
シアトルでは山の奥のでっかい古いお屋敷を借りて住み始めるのだが、ここはお化け屋敷で、夜中にとてつもない音がしたり扉が勝手に開閉したりうるさくてやってられないので(..ふつう引っ越すよね?)、Johnはこの屋敷のことを調べ始めて、やがて見えてくる上院議員のJoseph Carmichael.(Melvyn Douglas)とその家にまつわるいろんなことと。
まずはこの家にはなんかいるんだ、と思って、そいつがやかましい音をたてて注意を惹こうとしているってことは何か伝えたいことがあるのではないかと、じゃあそれが何なのかを探してみようか、というのを震えずに怖がらずにとっても正直にやっていると、音を立てているほうもあれこれ手伝って導いてくれる、はず。 教訓つきの昔話にはありがちな流れを相当おっかない方に反転させてみたかんじ。 骨格だけだとクラシックなお化け屋敷の怪談、坂田靖子にもこんなのあった気がするし。 でもとにかくいろんなのがおっかないのと、タイトルの「取り替え子」っていうのと、冒頭の事故の話とGeorge C. Scottの切羽詰まった表情と真剣さをあわせてみるととても辛い、かなしいお話しに見えてくる。
という大枠のところよか、個々の、がーんがーん、て地獄の窯みたいな音とか、階段からぽんぽん落ちてくるボールとか、壊れかけたベビーカーの軋みとか、一直線にぶっ飛んでいくコップとか、そういうのがたまらなく怖い。 "Salem's Lot"の館と同じくらいに薄気味悪くて、よくそれでもひとりで住み続けたもんだわ。 引越しが面倒だったのだろうか。
もういっこは、Melvyn Douglasの演技がすさまじい、アメリカの富とか権力とか所謂「象徴」にまつわる、それ自体がお化けのような気持ち悪さと奇怪さ。それに比べたらこの程度の怪奇現象なんて、と思えてしまう。 屋敷で起こるいろんなことの背後にいるのはモンスターではなく子供のイノセンスであって、ものすごく怖いのに、なんか透明で美しいくらいに見えてしまうのはその辺もある、よね。
この映画が日本で公開された当時、怖がりだったので当然見には行かなかったのだが、主題歌がヒカシューの「パイク」ていうのは宣伝していたのでよく憶えていて、なんで洋画の主題歌に日本のバンドが使われるんだよおかしいだろ、と少し頭きたのだった。 この頃から洋画のプロモーションに対する不信はずっとあるのよ。
昨日からドイツに出張してて、夕方の帰国の飛行機が遅れたのでIMAXでの”Christine” (1983)を見逃す。
くやしい。
さっきまでBBCで亡くなったSir Peter Hallの追悼番組やってた。 ナレーションはJeremy Irons。
知らないことが多すぎる。くやしい。
9.13.2017
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