11.19.2014

[film] The Shamrock Handicap (1926)

2日土曜日の2本目。 今回の京橋MOMA特集で、ここからのJohn Fordの2本が、大騒ぎになっているらしいことはいろんなところからうかがわれたのだが、それが実際どれくらいすごくて画期的で価値のあることなのか、はマニアではないのであんまよくわからず、わからないのでとりあえず見てみるしかない。
John Fordて外れたことがないから、きっと外れないよね、くらいで(強殴)。

「譽れの一番乗」

アイルランドの片田舎で、裕福な農場主と娘がいて、小作人とその息子がいて、息子は馬乗りで、娘さんとは素朴によいかんじで、みんな仲良く平和に暮らしていたのだが、農場主は生活が苦しくなって馬とか売っちゃって、小作人親子はアメリカに渡らざるを得なくなる。 息子はアメリカでジョッキーとしてうまくいけそうだった矢先、怪我をして馬に乗れなくなってしまい暗くなるのだが、やがて農場主もアメリカにやってきて、みんなでアイリッシュ魂でがんばるの。 で、大きなレースがきて、息子は怪我をしているのにいちかばちか、アイルランドから連れてきた必殺の名馬Dark Rosaleenaに跨がって...   彼女の一途な想いとアイリッシュ魂を背負った運命のお馬は走って走って...

ほんとうにわかりやすい、ストレートな感動を呼ぶドラマで、家族愛にじんわりして、アイリッシュ魂に熱くなって、馬レースに手に汗を握って、最後はよかったねえ、て皆で肩を抱きあって涙する。 それ以外の見かた楽しみかたなんていらないの。   
サイレントなのに、馬の蹄の音とかティン・ホイッスルがずっと頭のなかを回っていて、最後に四葉のクローバーが菊の御紋のようにでーんと映し出される(まんなかにDirected by John Ford)と、"The Irish Rover"かなんかが高らかに鳴りだして、くるくる踊りだしたくなる。

白い帽子を被った少女がでっかい馬の隣にいてただ立っているとことか、村の大きな樹の下で少年と少女がお別れをして、戻ってきたあとにふたりで永遠の愛を誓うとことか、唖然とするくらい美しいの。
あと、馬だけじゃなくて鵞鳥だかアヒルだかもいるの。

こんなのがたった2回しか公開されないんだから庶民が殺到するのとうぜんだわ。
こんなのが伝説の名画みたいになっちゃうのって、正真正銘の名画だからしょうがないんだけど、ぜったいおかしい。
永遠の児童文学とか古典みたいに、そこらじゅうの図書館に常備されてしかるべきだとおもった。

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