6日の晩に新宿でみました。 夏休みのLAでさんざん宣伝しているのを見ていたし。
ポートランドで子供の頃からチェロをやっているMia (Chloë Grace Moretz)は、憧れのジュリアードにいくか、地元でロックバンドをやっているKat (Mireille Enos)のところに残るのかで悩んでいて、そんなある日、家族で車に乗って出かけたところで事故にあう。
その直後、Miaの身体は幽体離脱していて、動かない自分の身体とか一緒に事故にあったパパとママと弟、なかよしの家族のこと、これまでの自分の生涯のいろんなのがまわっていくのを眺めていく。
大好きになったチェロをパパに買ってもらってKatと出会って恋をして将来のことでぶつかって落ちこんで、ていう青春絵巻があって、他方でママもパパも弟も亡くなって、自分の身体だって医者によると自分のがんばり次第だというのだが、こんな状態で生き返ったところでお先真っ暗だし、あんまぱっとしない人生だったし、どうしよう、どうでもいいや、もういいか、になっていくの。
事故にあわなくたって若いころには誰だって考えてぶちあたって思い患うようなことをわかりやすく並べて、そのナイーヴさと凡庸さについてしょうもねえ、ていうのはたやすいのだが、他人から見ればなんでそんなことがとか、異性とのどうでもいいけどきゅんとくるやりとりとかが自分にとってどれほど大切でかけがえのないもの、自分を生かしてくれるものだったか、というのをMiaの動かなくなった身体と空中に浮いた魂は大真面目に切々と訴えていて、その点については全く異議ない。
そういうもどかしさや切なさを表現するときのChloë Grace Moretzの表情と身体はほんとうにすばらしくて、彼女がこれまでの役柄であらゆる血にまみれて戦ってきたのもそういうことなんだな、と改めておもった。 感情移入して泣かせりゃいいってもんじゃないの。
Miaが取り組むのはクラシックだけど、彼女のパパはちょっと名の知れたバンドでドラムスをやってて(Miaのチェロのためにリタイアして自分のドラムキットを売る)、KatのローカルバンドはThe Shinsの前座に呼ばれたり、Merge Recordsからオファーが来たりもする(ふうん、あれで?)。
流れていく音も90年代以降のいろんなの、BeckとかHope SandovalとかThe Long Wintersとかで、ガーデンパーティーではみんなでSmashing Pumpkinsの"Today"を合唱したりする。
80年代の男の子の叫びとしてあった"If You Leave"からまじめな女の子のつぶやきである"If I Stay"へ、或いはみんなの歌としての"Today"へ。 クラシカルな調和や調性のリアルに80年代魂が負けてしまうおはなし、として見てしまうのはだめか?
ラストはやっぱしあれしかないと思うけど、横に弦之丞みたいなのがいてもよかったのになあ。
あと、あの字幕はなに? キム・ヴォーデンてだれ?
11.21.2014
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