27日の晩、渋谷のクアトロで見ました。
もうぜんぜんライブに行けない体になってしまい、でも行きたくてしょうがなくて、たまたま空いた日があったので当日券で入る。 Napalm Deathは行きたかったけど、行ったらたぶんしんじゃう、あとでこの日、Fennesz - O’Rourkeがあったのを知ってちょっと悔しかったが、でもいい。
7:30きっかりに客電が落ちたのでわーい、と思ったら前座だった。 確認しなかったこっちも悪いけどさ、チケットに書いておいてほしい。 時間削って体力も削られて死にそうで這うようにして来てるんだから。
Ben Wattを見るのは97年頃(たぶん) - “Walking Wounded”時のEBTGのライブ - チェルシーの西のはじっこにあったクラブ(たしか)- 以来か。
今年の春、”North Marine Drive”以来30年ぶりとなるソロ -”Hendra”でギターを、しかもエレクトリックギターを抱えて戻ってきてくれたのは本当に嬉しかった。
聴いたらものすごく腰の据わった落ちついた男っぽい音でなんというか、いろいろ考えてしまったのだが、そのはなしはあとで。
メンバーは3人、ベースレスで、力強くうねるギターのリードはBernard Butlerさんでアンサンブルとしては申し分ない。 ギターの他に、Ben自身によるWurlitzerのエレピも美しい。 “Hendra”から始まって3曲目で”North Marine Drive”から”Some Things Don't Matter”を。 Everlasting Loveを求めてひとり外界を眺めていた“This boy”の30年後、その声のトーン、その声の落ち着きはどうだろうか。
Ben Wattさんは一曲一曲丁寧に、その曲の成り立ちや背景を説明してくれて、こうして我々は”North Marine Drive”がどんな場所にあるのか、EBTGの”The Road”が、”The Levels"が、本編最後に歌われる”The Heart Is A Mirror”がどういう意味やストーリーをもつ歌なのかを知ることができて、それなりに興味深かった(特に80年代のThe Apartments, the Go-Betweensといったオーストラリア勢の関わりとか)のだが、そのしっとり丁寧で、確信に満ちた喋りになんか違和感を覚えてしまったことも確かで、それが”Hendra”を最初に聴いたときに感じたなにかだったのかもしれない。
30年という時間 - 一度ギターから離れて皿回しになり、再びギターを手にする - の帰結としての“This boy”の「成熟」について云々したってしょうがないし、ライブとして、音楽として素晴らしかったことは確かであるので、別にいいんだけどね、自分のこともあわせていろいろ考えてしまったことであるよ。 あの彼(This boy)はどこに行ってしまったのだろう、とかね。
もちろん、そんな無垢な”This boy”幻想なんてこっちが勝手な思い込みでしかないので無視していいんだけど、そういえば”North Marine Drive”が出た当時、洒落た格好してあのレコードを見せびらかしているのにろくな奴いなかったよね、とか。
わたしはEPの”Summer Into Winter”がいちばん好きです。
で、結局、ひょっとしたら面倒なやつかもしれないBen Wattをここまで見守ってきたTracyえらい! に落ちつくのだった。 アンコールの最後は”25th December”だったが、Tracyの”Tinsel and Lights”もそろそろ引っぱりだす季節になりましたね。
11.30.2014
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