9日の日曜日の午後、京橋から新宿に移動してみました。
邦題は、えーと、なんか市販調味料の商品名みたいなやつ。
フレンチ vs インディアンのお料理バトルみたいのを想像していたらぜんぜんちがった。
幼いころからムンバイで、料理人のママの元で舌を鍛えられたハッサンとパパと兄妹たちは、地元の政治暴動で母を失って英国に渡り、その後、オランダ経由でフランスに来る。 車が故障して動かなくなった地点をなにかのご縁に違いないと、そこのボロ家を買い取って自分たちのレストランにする。 が、通りの反対側にはミシュランひとつ星のフレンチがあって、夫の死後、そこをひとりで仕切っているマダム・マロリー(Helen Mirren)がいる。
最初のほうにはお決まりの異文化衝突、お隣家衝突があって、その後に、フレンチを学び始めたハッサンとハッサンのオムレツにやられちゃったマダムの間、あるいは傲慢なパパと頑固なマダムの間でなにかが溶けはじめて、ハッサンはマダムのレストランに雇われて、そこからスターシェフに成りあがっていくの。
お料理の基本はママの味、おいしいお料理は(愛とおなじように)すべてを救う、ていう論調はもういいかげんにして、なのだが、今回のはフランスとインドの間であまりに溝が深すぎる気がして、それでもしぶとく乗り越えるのね、というところに割と感心した。 でも、どうせならえんえん食材合戦、ソース対決みたいのをやってくれたほうがおもしろかったのにな。 最初からフュージョンを謳ったり狙ったりする料理にろくなのないじゃん。
おいしけりゃいいのだ、ていうのもあれで、ハッサンの料理が最初は?ん? だったのにだんだん鍛えられて馴染んでよくなってくる、ていうプロセスがあってもよかったし、フレンチの料理本を読んだだけで基本のソースをマスターできてしまう、ていうのもどうかなあ、だった。
おなじように、恋愛の要素もあんましいらないよね。
ていうか、料理も恋愛もそれなりの時間が必要だったり錯誤がいっぱいあったりするもんなのに、描き方として簡単すぎやしないだろうか。 料理のうまいひとは恋愛も上手に決まっているのだろうか。
最後にハッサンがマルグリットに作る、って言ってた必殺の一皿を明らかにすべきだった(冒頭で大量のウニを投げこんでいたあれだよね)。
あと、Helen Mirrenさんをフランス人のマダムに仕立てるのは無理だよね。 どっから見たってばりばりの英国女(しかもDame付き)なのにさ。
見終えて、フレンチを食べたくなるかインディアンを食べたくなるかどっちかか、というとどっちもあんま食べたくならなかったの。 あの鴨もったいなかったなあー、くらい。
11.24.2014
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