NYの最後の晩、28日にUnion SquareのRegalで見ました。
前日の”Low Down”がジャズピアニストのお話しで、こっちはジャズドラマーのお話し。偶然だけど。
前日の主人公は枯れすすきで、こっちのは昇り龍だった。 これも偶然。
どっちも女っ気はまったくなし。 これも偶然。 たぶん。
大学のコンクールで何度も優勝している伝統あるジャズバンドにドラマーとして入ったAndrew (Miles Teller)と名物鬼教官Fletcher (J.K. Simmons) との間のあれこれを描く。
あれこれ、と言っても殆どが練習とかリハーサルでの軍隊か、みたいなすさまじいSMしごきと、手を血だらけにし歯をくいしばりながら必死の形相でついていくAndrewのドラムスにかける青春が殆どで、和解とか勝利とか、ものすごい感動のフィナーレを期待しているとちょっとちがう。
Bret Easton Ellisが「Oliver Stoneがリメイクした"Fame"みたい」、と呟いていたが、まさにそんなかんじよ。
青春なので若干の浮き沈みとか彼女との別れとか落ち込みとか挫折とかは当然あって、とんでもない大事故(あまりにすごいので笑っちゃう)を起こしていったんはぜんぶ諦めて清算してしまうのだが、再びスティックを手にする。 そういったもしゃもしゃまるごと、握りしめたスティックと止まんないストロークにぶちまけるラストは感動、とは違うけどなかなかに盛りあがってすごい。
画面が暗転すると誰もがライブと同じように拍手してしまうの。
全員に絶対の統制と服従を強いてひたすらストイックに練習に没入する、ところなんかを見ると、ジャズってスポーツなのかなあと思うのだが、最後はスポーツから殴り合いの喧嘩みたいのになっていく。 しかもカーネギーホールの大舞台で。 このあたりがたぶん言いたかったところなのかも。
Miles Tellerくんは、こないだの"Divergent"以降、どんなにひどい目にあって痛めつけられてもあんまし可哀そうに見えない系の急先鋒に浮上した。(元祖はJohn Cusakあたりか) 15歳からドラムスをやってて、Jimmy FallonではThe Rootsと競演したところも見たけど、まあまあ、くらい。 でも歯くいしばるのが絵になることはたしか。
あとはちょっとのズレとかブレが全体を台無しにしてしまうジャズとかクラシックの美とかその時間とか(それがぜんぶではないけど構成要素のひとつではある)て、大変なんだねえ、とか。
こういう世界ってほんとうにあるの? とジュリアードの先生に聞いてみた結果がこれ。
http://www.vulture.com/2014/10/ask-an-expert-juilliard-professor-whiplash.html
関係ないけど、上映前に予告宣伝やってたJames FrancoとSeth Rogenの北朝鮮コメディ - "The Interview" - 大看板だしたりしててすごいんだけど、あれ、だいじょうぶだろうか。
11.08.2014
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