26日の日曜日のマチネで見ました。 ようやく。 これも日本でチケット買っていった。
場所は48thのCort Theatre。
キャストは3人 - Kieran “Igby” Culkin, Michael “Scott Pilgrim” Cera, Tavi “Rookie Mag” Gevinson, 原作はあのすばらしい“Margaret” (2011) - Kieran Culkinも出ている - を監督したKenneth Lonergan, オリジナル音楽はVampire WeekendのRostam Batmanglij、設定は82年の3月のNY、こんなの絶対見ないわけにはいかん。
でもチケット受け取り窓口で、今日はKieran Culkinお休みごめんー、ていわれて思いっきり凹む。
あーあ、Igby見たかったのによう。(代演はNick Lehane)
1982年の3月、場所は大学シニア(21歳の設定)のDennis Ziegler(Nick Lehane)のUpper Westにあるアパート - 壁にはZappaとRichard Pryorのポスター、レコード棚にもZappaのレコードジャケットが見える - で深夜ひとり床上のTVを見ているところにドアベルが鳴って、後輩(19歳の設定)のWarren(Michael Cera)がスーツケース抱えて家出してくる。彼はもうあんな家耐えらんない、といい父親からガメてきた$15000を使っちまおうぜ、てやけくそになっていう。裏でヤクの取引きとかをしているDennisはバカかおめーは、とか呆れながらもいくつかの電話をかけて深夜の街中に出ていく、ていうのと、Warrenが気になっているFITの学生Jessica(Tavi Gevinson - 設定は19歳)を呼びだしてものにしたい(今夜こそ)、ていうのもあって、そしたら彼女がやってきたので舞いあがって、ふたりでプラザのスイートにでも泊まろうよ、て飛びだしていく。 ここまでが1幕めで、その翌日の昼間、ふたたび同じところに戻ってきた3人は、ていうのが2幕め。
まだネットもスマホも携帯もない時代、若者たちは何に苛立ったり困惑したり焦ったり動かされたりたむろしたりしていたのか、果たしてここにある情動や痙攣を大文字で"THIS IS OUR YOUTH"と呼んでしまってよいものか、議論はあるのかも知れないけど、少なくとも自分にとってはぜんぜん違和感なかった。
遠いようですぐそばにある/あった死(このテーマは“Margaret”でも反復される)、たったひと晩ですべてがひっくり返ってしまう世界、おっかない奴がいて、お調子者がいて、臆病者がいて、そこには守られるべきなにかがあって、決定的に相容れないなにかがあって、でもそれらがなんなのか誰も明言できず、でも肩肘はって見栄はって強がりばかり言ってる。
(ここで岡崎京子の名前を出してしまうのは反則だろうか)
そして3人の俳優たち。 天才としか言いようのない冴え(という形容は果たして妥当なのか)を見せるMichael Ceraのぼんくらの挙動 - Jessicaを前にしたおろおろおたおた、高価なドラッグの粉を床にぶちまけてしまうときの一連の動きのとり返しのつかないかんじ。
そしてBroadwayデビューとなるTavi Gevinsonの眉間の皺と上目遣い、なにが不安でなににあたまきているのか自分でわかんない不快さを丸飲みにしたような表情、上滑ってつんのめった喋りかた、Zappaの"Mystery Roach"に合わせて弾けたように狂ったように踊りだすそのしなやかなバネ。
この娘はやはりただもんではない。
(ここでMolly Ringwaldの名前を出してしまうのは反則だろうか)
ちなみに96年の初演時、Warrenを演じたのはMark Ruffalo - これも見たかったかも。
映画でも演劇でも、若者をテーマにしたときに必ず議論される「リアルさ」から離れて、それでも若さというリアルに迫ってくるドラマの不思議と、それを可能にしたのが成熟とか到達とかから無縁な(ふりをできる)稀有な俳優達のアンサンブルであったという、そういう点では見事な俳優さんの演劇だったとおもう。 10年後、これをどんな連中が演じることになるのか ー。
11.02.2014
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