3.13.2026

[theatre] Stranger Things: The First Shadow

3月1日、日曜日の午後、Phoenix Theatreで見ました。

West Endでロングランしている商業演劇系(っていうの?)は余り見ていなくて、まずチケット代が高いし、しばらくやっているだろうから、というのがその理由だったのだが、帰国を前にやっぱりいくつかは見ておきたいな、になり、このシアターはいつも行く本屋Foylesの反対側にあって、本屋を出るたびに”Hawkins”の文字が目に入って見たいかも、になっていた。

NetflixのあのTVシリーズ(最後のエピソードは見れていないので帰国したら見る)、1983年から始まったあの物語の約40年前から始まる前日譚 - 冒頭に字幕で小さく”The Philadelphia Experiment”とでる – で、Duffer Brothers, Jack Thorne, Kate Trefryがオリジナルストーリーを作って、演出はStephen Daldry(!)とJustin Martinの共同。TVシリーズを見ていなくても、そんなに憶えていなくても「変なもの」は変なものとして目の前にダイナミックに迫ってくるし、知っている人には40年後の起源や登場人物がこんなところに、になる。 休憩含めて3時間、最後には映画のようなエンドロールが流れる。

暗転して闇の奥からTVシリーズのあのシンセ(もろJohn Carpenter)が湧いてくるだけで、どよめきが起こる。全体としてサウンドデザインが見事で、最後の方の光と轟音の嵐は怖いくらいだった。ところどころの古いフィルムのプロジェクションも効果的。(Ratingは12+で、日曜日の昼だからか子供もいっぱい見ていたがぜったい怖いとおもう)

冒頭が戦時中、洋上の戦艦のなかで起こった謎の出来事→大事故と失踪、そこからTV版の舞台となったインディアナ州ホーキンスに移って、そこでの平凡な学園生活と、周辺でペットが不審な死にかたをしていく事件を中心に、いくつかのエピソードが併走していく。冒頭の事故の唯一の生存者の息子で、不思議な能力をもつ少年Henry Creel (Jack Christou)、はぐれ者の彼に近づいていくPatty (Avril Maponga)を中心に、田舎の高校の平々凡々とした日々と、その裏に潜んでいるのか進行しているのか何やらおそろしい、”Strager Things”の端々をじわじわと炙りだすように描いて、でも全体像はちっともわからない。 TVシリーズを知っている人は、これらがどうなっていくのか、なんでこんなことに.. は凡そわかっているので、きたきたきた..になったり、これって、あれのこと? になったりと慌しいのだが、音とヴィジュアルの有無を言わせない説得力がすべてをなぎ倒して覆いかぶさってきて、記憶も忘却もどこかに行ってしまう。単独の舞台として見ても十分わけわかんなく錯綜していてよいと思った。

TVシリーズでWinona Ryderが演じたJoyceやDavid Harbourが演じたHopperの高校生時代の姿も出てくるが、彼らはちょっと微妙で、別になくてもよいくらいのエピソードの出し方。そして、若い頃のDr Brenner (Stewart Clarke)も当然。

この時点で誰かがどうにかしていたら、この件はどうにかなって(収束して)いたのだろうか?勿論そんなことにはならず、Stranger ThingsはStrangerのまま、だから、劇は冷たく恐ろしいままにその蓋を閉じて or 開けたままにHawkinsの80年代を用意する。しかし、この劇を見てからTVシリーズに行くと、あまりにほのぼの腑抜けで無邪気すぎるふうに見えてしまったりしないだろうか。

軍の実験と超能力と怪物と田舎を掛けあわせた超常化け物怪奇ホラーとして、とてもよくできているなあ、と改めて思ったのと、そういうのなしでも、シアター/お化け屋敷として十分機能しているように思えた。5時間くらいに引き延ばして、外に出られなくする設定を加えたらパーフェクトではないか(なにが?)。

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