3.18.2026

[theatre] Paddington: The Musical

3月9日、月曜日の晩にSavoy Theatreで見ました。

これもロングランしそうなWest Endので、帰る前に見ておかなきゃ、のリストに入れていたのだが、観光客向けにどこかが押さえちゃっているのかチケットがぜんぜん取れないし値段はバカみたいに高いし。

でもパディントンなら、ぬいぐるみもいっぱい持っているし(また袋に入った小さいの買ってしまった..)、Winee-the-Poohだっているし、どっちなんだよ、もあるけど、どっちみちクマには勝てないのだから諦めて見にいってあげるしかない。

演出はLuke Sheppard、原作はもちろんMichael Bond、脚本はJessica Swale、ストーリーは映画版の最初のをベースに2作目の要素も少しだけ。ミュージカルなので音楽はTom Fletcher、振付はEllen Kaneで、クマと一緒に踊りたくなる躍動感に溢れている。マーママままーまままマーマレード~♪ とか名曲としか言いようがない(YouTubeにあるよ)。

James Hameedがパディントンの声とアニマトロニクス技術によってリモートで操作し、遠隔じゃないところはAli Sarebani が中に入って動かしている。アニマトロニクスってなにが?なのだが、例えばクマの毛がふわーっって逆立ったりとかたぶんその辺。 見た回では技術上の問題が発生したとかで途中10分くらいの中断があった。

開演前の舞台はいろんなものが雑然と置かれた骨董屋で、それが標本類が天井まで積みあがった自然史博物館の考古学エリアに変貌したり(極めて正しくかっこよいので震える)。右と左の壁にはロンドンの名所がパノラマで描かれている – Shardの位置とかちょっと変だけど。

所詮着ぐるみ(or 人形)コメディじゃん、なのかもだし、見ることができる写真の像と顔は、映画版のともちょっと違ってやや羊の要素が入っている(少し顔が長い)気がするし、そいつが舞台上のライブで動いたからどうだというのか、というのは誰もが思うことだろう。あんな程度のに騙されてはいかん、と。 でもこれがなんでか絶妙で、でも理由はわかんない。

でもね、とにかく、彼がパディントン駅の雑踏のなかに現れた時、彼があの赤い帽子を被ったりあのダッフルコートを羽織るとき、「うわぁ..」みたいな声が客席の間から漏れて、それはもう本当にそうなってしまうの。あのもふもふの毛玉野郎に命を吹きこまれている、とか臭いことを言う前に、なんか生き物がいる – なんなんだこいつは(なかなかかわいいじゃねえか)ってふつうになる。

そんな彼がリスク計算屋のパパ (Adrian Der Gregorian), アーティストのママ(Amy Ellen Richardson), 反発生意気盛りの娘Judy (Delilah Bennett-Cardy), 物識り息子Jonathan (Jasper Rowse), そしてぶっとんだMrs Bird (Bonnie Langford)の間で、最初は南米からきた異種・移民のホームレス扱いで、行く先々の内外でトラブルを起こしてばかりでかわいそうなパディントンは、自分はなんでこんなところに? って思い、家族もなんでこんなクマが自分らのところに? ってなり、でも最後には互いにとってなくてはならない大切なクマなんだ! になっていく気づきと発見の過程がすばらしいし愛おしいし。

骨董品屋のMr Gruber (Teddy Kempner)が探検家を探すところ、博物館のMillicent Clyde (Victoria Hamilton-Barritt)がクマを剥製にしようとするところは、相対的に薄めになっていて、パディントンの愛らしさとマーマレードに登場人物たち全員がやられて中毒になっていく過程がより鮮明になっていて、それは観客の方にもはっきりと伝播していく。みんな結末はわかっているので、これでよいのかもしれない。

そしてもうひとつの主役がロンドンの街で、クマがその名を貰うところから始まり、こんな人たちの暮らすこんな街だからこういうお話しになったのだ、というのがよくわかる作りになっている気がした。これがなんでロンドンでNYではないのか? よい名前になるような駅がないからかも – Columbus, Christopher, Astor, Houston.. みんな通りの名前で、どこかちょっと弱いのと、行き交うヒトがどこか違う – ここは掘っていったらきりがなくなるかも。

天気と空気の悪いなかロンドン観光とかするより、このミュージカル1本見た方がロンドンを正しく体感できる気がした。お金持ちだったら横のSavoy Hotelに泊まってアフタヌーンティーも込みにすれば完璧。

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