3月2日、月曜日の夕方、Curzon Aldgateで見ました。
いろいろばたばたで新しい映画を見る余裕がぜんぜんなく、旧作なんてもってのほかでBFI Southbankにも行けていない。こんなことがあってよいのでしょうか神さま、の状態が続いている。
そんなあれも見ないとこれも見ないとでぱんぱんな時に限って、ついこんな半端なのを見てしまったりするのはどうなのか。
監督はFKA TwigsやBillie EilishのMVを撮ったり、Timothée Chalametの映画のプロモーションに携わってきたAidan Zamiriで、これが初監督作となるが、元のアイデアなどはCharli XCXによるもの。配給はA24。
モキュメンタリーで、2024年のアルバム”Brat”のリリースに合わせたプロモーション”Brat Summer”、これの舞台裏も含めて、こんなことがあったりしてねえー、というのを彼女の位置からたっぷりの皮肉と共に描いている。全体としてはよくもまあ、っていうのとここまでやるのかー、ていうのが入り混じる。産業って… とか。
Charli XCXは”Sucker” (2014)などはよく聴いた、くらい。元気があってよいなー、くらい。
“Brat”のアリーナツアーの準備を進めながらちょっと疲れてきたCharliのところにAtlanticレーベルの大物Tammy Pitman (Rosanna Arquette ..あらら)が、このツアーを歴史に遺る遺産とすべくamazonと提携したコンサートフィルムを撮影する話を持ってきて、監督Johannes Godwin (Alexander Skarsgård ..あらあら)が現れて、常にリハーサルする彼女の後ろを追っかけてうざい口を出し始めて、クリエイティブ・リードのCeleste (Hailey Benton Gates)と彼女は事あるごとに顔を見合わせることになる。あと、ツアーを後押しするプロモーション企画として、落ち目になりつつあるカード会社Howard Stirlingが発行する”Brat”クレジットカードが発表され、サインアップするとツアーチケットが付いてくるとか。
この他にもその筋では有名なのだと思うセレブが右から左から実名・カメオで湧いて画面のあちこちにいて、詳しい人にはより楽しめるのだろうが、そうでなくとも、Charliを取り巻く大量かつ多様な何をやっているのかわからない人たちによって「界隈」が形成され、どっちが先なのか知らんがコラボティヴでストラテジックな連携・提携によるプラットフォームができあがり、そこに我々のお金がじゃんじゃか自動で吸いこまれていくのだな、ということはわかる。
でもそういう中でCharliは疲れていって、もうなにもかもいやだ、というかんじで突然イビザに逃げて高級リゾートに籠ろうとするのだが、そこでも怪しげなエステティシャンが絡んできたり。
これ、エンタメの実経済を支えるバカみたいに脳みそその他が空っぽな人々を風刺するコメディ – “Spinal Tap”のクラブ・レイヴ版にすればよかったのに、と思ったのだがそちらには行かず、ひたすら疲弊して本音をぶちまけることもできないCharliの、沢山の人達が準備してリソースを出してここまで来たのだから、って全てをのんで受けいれる姿が描かれる – そういう形で示される業界への批判で、それでも最後にはamazon musicで宜しくね、って出るので失笑せざるを得ない。
ファザコンでミソジニー丸出しのJohannesをどこかでぼこぼこにしてくれると思ったのにそれはないし、音楽も殆ど流れてこないし、主人公は疲弊して浮かない顔で、そういうところで最近のメガヒットは形成されるのだな、パンクなんて異なる惑星の話としか思えないし、Morrisseyが嘆くのも無理はないわ、って。
3.11.2026
[film] The Moment (2026)
登録:
コメントの投稿 (Atom)
0 件のコメント:
コメントを投稿
注: コメントを投稿できるのは、このブログのメンバーだけです。