7.16.2022

[film] Thor: Love and Thunder (2022)

7月8日の晩、109シネマズの二子玉川で見ました。IMAXの3Dで。

監督は前作の“Thor: Ragnarok” (2017)から続いてTaika Waititiで、今度のではストーリー制作にも関わっている(ことはよくわかる)。

冒頭、Gorr (Christian Bale)が衰弱した娘のLoveを抱えて砂漠を彷徨っていて、神への祈りも虚しくLoveは亡くなって、彼らの神Rapuに祈って直訴してもだめだったので神を殺すことのできる呪いの剣 – Necroswordを手にしてRapuを殺して神たちの皆殺しを誓う。

Thor (Chris Hemsworth)は”Endgames”の後で半生の腑抜けになってGuardians of the Galaxyの連中とてきとーに戦ったりしていたのだが、Gorrの攻撃を受けたSif (Jaimie Alexander)からNew Asgardが狙われていると聞いてそちらに向かう。

久々に登場したJane (Natalie Portman)はステージ4の癌の治療中で、看病するKat Denningsとふたりでため息をついてぼやいたりしているのだが、ある日ガラスケースの中にいる(前作で)粉々に砕かれたThorのムジョルニア(とんかち)を見ていたら..

New Asgardを襲ってきたGorrをThorとValkyrie (Tessa Thompson)とKorg (Taika Waititi)が戦っているとそこにムジョルニアを手にしたJaneが現れてあーらびっくり、一緒に戦って撃退するのだがそこにいた子供たちを拐われてしまい、助けをもとめていろんな神々 - Bao(饅頭の神)とかもいる - のいるシティに向かってZeus (Russell Crowe)にお願いするのだが、すごくかんじ悪くて無愛想でいい顔しないのでどついて無理やりサンダー - おもちゃみたい - を奪って、Gorrのところに向かう。でもムジョルニアと共に戦うJaneにも病の進行は止められず..

いちおう、神々を恨んで連中を皆殺しにしたいGorrと、それを阻止して子供たちを救いたいThorたちとの戦いがメインなのだが、Janeと別れてThanosとの戦いで自信を失ってぶくぶくに腐っていたThorがどうやって元にリカバーして戦う雷神として目覚めていくのか、を微妙なギャグ - Guns N' Rosesを真ん中にした80~90年メタルの全能感 - を散りばめつつ描いていく。「微妙」っていうのはわかる人にはわかるかもだけどそうでもない人にはきょとん、とか、わかる人であっても世の中の平準線からするといいのか… とか。

“Thor: Ragnarok”の方がまだ父や故郷(星)の喪失とか別れとかハードなテーマがあった気がして、今作だってGorrの父娘の話はシリアスだし、Janeとの過去と現在なんてとても大事なことなのだが、Taika Waititiは気の抜けたギャグをおならのように方々に散らして適度にぼかしたり照れたりつつ、「実はね」っていうのをやる人だから..  でも今回のに関していうと、そこまで照れたり隠したりしなくても、ストレートにJaneとThorの思いが惑星直列する過去から現在までを描いてもよかったのではないか。Janeと会えますように、彼女を救ってくれますように、っていう思いははっきりと神に届いていた、だからとんかちだって動きだしたのだから。

あとはムジョルニア(とんかち)とストームブレーカー(斧)のせめぎ合いとか、ValkyrieにもKorgにもそれぞれ大切なLoveとThunderはあるのだし、なによりも子供を大切に(っていうのは監督がずっと前の作品から言っている)とか。

予告で”Sweet Child O' Mine”ががんがんだったことからもGuns N' Rosesなのかー、とは思ったが、あそこまで染めてくるとは思わなかった。”November Rain”まで。これなら”Thor: Guns and Roses”でもよかったのでは。この流れで押しまくるので、ラストに流れるDioの”Rainbow in the Dark” (1983)がえらくまじめに聞こえてしまう。でもどっちにしても「神」なんて所詮はメタルの世界で云々されるああいうの程度の扱いでよいのだ、って。うんうん。

神々の世界にBaoがいたってことは他に東洋の神々だっているはずで、それなら”Shang-Chi and the Legend of the Ten Rings” (2021)    に出てきたあいつらだって出してやって。

Matt DamonとSam NeillとLuke Hemsworthが出てくる(今回はさらにMelissa McCarthyまで)寸劇、おもしろいので、次からは本編前に30分くらいかけて、「これまでのこと」としてやってほしい。

ValhallaにいるHeimdall (Idris Elba)を出すのならFrigga (Rene Russo)も出して迎えてあげてほしかったねえ。
次はKat Denningsさんにとんかちを持たせてやってほしい。ぜったい似合うから。

全体としてはぐだぐだでしょーもない映画だと思うものの、自分が学生だったら授業さぼって見たあとでファミレスとかに篭って5時間くらいだらだらどーでもいいことばかり喋りたくなるであろう、そんな憎めないやつだと思った。


明日からひさびさ、少しだけ海外に。ぶじ戻ってこれますように。

0 件のコメント:

コメントを投稿

注: コメントを投稿できるのは、このブログのメンバーだけです。