7月1日、金曜日の晩、109シネマズ二子玉川のIMAXで見ました。字幕版で。
アニメーション-”Toy Story”シリーズのToyキャラクターBuzz Lightyear、1995年の最初の時にAndyが買ってもらうこのToyが製造販売されるきっかけになる大ヒットした(のだと思う)スペースオペラ映画がこれだ、と説明される。つまりこの映画は93年くらいのアメリカで公開された映画で、当時の子供たちを熱狂させたものを今の我々(含. 子供たち)が見る。感覚としては家に転がっているR2-D2とかダースベイダーのおもちゃって、ここから来たのか、って振り返るべく”Star Wars” (1977)を見るかんじ。この場合だと親子間で見て思うところは異なる気がするけど、今度のこれは今の子供も大人もみんな横並びで見る、というあたりがおもしろいのかも。
スターレンジャーのBuzz Lightyear (Chris Evans)は、冬眠している人々をいっぱい積んだでっかいカブ型の探査船のパイロットで、指揮官で同僚のAlisha Hawthorne (Uzo Aduba)と新しい星に降りたって探索をはじめて、でも変な巨大ツタが襲ってきたりでっかい虫みたいのが湧いてくることがわかったので脱出しようとしたところでミスして探査船を破損させて元のところに戻らざるを得なくなり、結局人々はそこでインフラを整備してコロニーを作って生活をはじめる。
自分の失敗に責任を感じているBuzzは、人々を元の星に戻すことができる光速運航のカギになる燃料を試すべく飛行実験に取り組むのだが、その4分間のテスト飛行は失敗して、Buzzはなんとか生還するものの、そのBuzzにとっての4分間で地元では6年が経過していた…
更に重く責任をかんじてしまったBuzzは何度も何度も実験を繰り返して、結果62年があっという間に過ぎてしまう。その間、コロニーは発展して繁栄して、Buzzが帰還するたびにAlishaは結婚していたり子供ができていたり老いてやがて亡くなって.. Buzzは驚いたり悲しんだりしながらも燃料の探究と実験をやめない。途中でもらった猫ロボットのSox – ほしい – が計算した調合による新燃料でようやく成功して、やったこれで戻れるぞ! ってなったところで..
物語としてはこの後に彼が直面する困難とAlishaの孫とか愚連隊仲間との冒険が描かれていくのだが、ここまでの展開にのれるかどうか、だろうか。
自分の起こした失敗の責任を取ろうって次の挑戦にかけるのはよい、としよう。でもそれを10回くらい繰り返して60年間を無駄にした – その間他の人たちは普通にコロニーの構築をがんばっていた - ってこの時点でふつう軍法会議でアウト、じゃないの? いや、これは現実のドラマじゃなくて子供向けだから、っていうにしても、こんなに(Alishaとかは理解を示してくれたにしても)自分中心でイノシシみたいに突っ走っていく野郎をヒーローにしちゃっていいの? いや、だから”Toy Story”に出てくるBuzz Lightyearだってそういうちょっとうざい系のキャラだったじゃん? はわかんなくもないけど、でもこれ見てこんなのをおもちゃにしたい/このおもちゃがほしい/これを子供に与えたい、ってなるだろうか?
Buzz Lightyearが活躍するスペースオペラ、って聞いた時、まず、ふつうに侵略してくる悪の帝国とかエイリアンとか隕石とか外宇宙からの脅威と戦うやつを思い浮かべないだろうか? それか、戻ってみたらコミュニティがまるごとなにかに乗っ取られていたっていうスリラーとか、でもここのって(きっかけはその星にいた生物だったにせよ)ほぼ自分たち入植者の内輪の抗争みたいなとこに終始してしまう。 更に最後の方になると未来からやってきた邪悪な老人Buzz – 彼がああなっちゃうのはなんかわかるわ気をつけなきゃ – も現れたり、どこまでも自分達のサークルのなかで認められなきゃとか、称賛されたい乗り越えたい、そんなのばっかりで、そういう目標設定ばかりだとしんどくない? ヒーローにそんなの求めたくない - ヒーローになることを目的化してる時点でそんなのヒーローじゃなくない? でも映画化する時点でキャラクターの商品化は織り込まれているだろうし寧ろそれに沿って考えられたのだろうし、90年代初の「本当の自分」を見て! の流れを汲んだものなのだろうか? とか。この辺は細かく見ていけばおもしろいのかもしれない - 映画としておもしろいかどうかは別として。
でもさー、6年間不在にして戻ってきても便りとか近況を確認するのがAlishaだけってちょっと寂しくない? とか。
4分間働いてそれで6年が経っちゃうのだとしたら、その間に振り込まれていた給料とか手付かずじゃん、そしたらそれで本とかレコードすごくいっぱい買えるからいいな! とか。
7.06.2022
[film] Lightyear (2022)
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