6.09.2021

[film] Cruella (2021)

6月6日、日曜日の午後、シネマカリテで見ました。 ひさしぶり〜 カリテ。

Disney+のストリーミングで見ることもできるのだが、別途料金がバカ高い(これは英国でもそうだった)し、それなら映画館の方が、と。ディズニーのメジャーなやつなのにTOHOとかのシネコンでやっていない件については、どっちもどっちだ(どっちも酷い)と思うので割とどうでもいい。作品に興味なければこんなの行くもんか。行かなくたって連中の損益計算には響かないように計算済み。ほんとひどいくそったれのどうでもいい話。

わたしはGlenn CloseがCruella DeVilを演じた”101 Dalmatians” (1996) - 脚本はJohn Hughes ! – が大好きでTVで何十回も見ているから。今回の、Glenn CloseがThe Baronessやってもよかったのにな...

母Catherine (Emily Beecham)とふたりで暮らすEstella (Tipper Seifert-Cleveland)は学校では虐められっ子で、でも負けなくて、学校の扱いにあきれた母娘はロンドンで暮らすことにして、その途中でCatherineはThe Baroness (Emma Thompson)の屋敷のパーティに立ち寄るのだが、そこでEstellaはCatherineが誰かと口論の末に崖から突き落とされるのを見てしまう。

そこから10年、時は70年代、ひとりロンドンに渡ったEstella (Emma Stone)は同じく孤児のJasper (Joel Fry)とHorace (Paul Walter Hauser)に拾われて棲み処を共にし窃盗とかしながら逞しく育っていて、ふたりからの誕生日プレゼントで憧れのLiberty(行きたいよう.. 涙)に偽のレジュメで採用されて、ここでも虐められこき使われて散々なのだが、好き勝手に飾りつけたウィンドウディスプレイがやってきたThe Baronessの目にとまって、なんとかデザイナーハウスに雇われることになる。

こうして厳しい修業時代を生き延びながら頭角を現していくEstellaだったが、母の持っていた家宝のネックレスをThe Baronessがしているのに気づき、そこから彼女が母の仇であることがわかると、Estellaは白黒髪のCruellaにトランスフォームしてKings RoadのブティックにいたArtie (John McCrea)と組んで、The Baronessのショーをゲリラ的にジャックしていくようになる。 Cruellaの登場は都度センセーションを巻きおこして、当然おもしろくないThe Baronessは…

Joker的なモンスターキャラの前日譚として見ることもできるし、虐められっこの撥ね返り逆転物語として見ることもできるし、70年代パンクファッション誕生の話として見ることもできるし、でもやっぱり仇討ち(&醜いアヒルの子の成長) - EstellaはいかにしてCruellaになったか - のお話、がはまるのだろうか。 ディズニー的には。

“Mad Max: Fury Road” (2015)を手掛けたJenny Beavanによるコスチュームは見事だし、ファッション好きのみんなは必見だと思うものの、他方で、これがパンクだぜ!ってされて盛りあがることについては、ここに限らずいつだって微妙で、なんかねえ、になる。それがどうした、ではあるし、売れたもんが勝ち、なのだし、我々が最初に触れたパンクだってすでにとっくに業界で練りあげられたものだったわけだし、でもそれでも、そうではない形の残滓としてのパンクがまだ世界のどこかにあることも知っている。そしてこの映画にはEmma Stoneの感動的なやけくその大見得によって、それがかろうじて、奇跡のようにぶちまけられている。気がした。

この映画のファッションとパンクについては、この記事がわりと。
https://www.theguardian.com/film/2021/may/27/disney-cruella-punk-fashion-design

流れてくる音楽は悪くないけど、どこを切ってもちっともパンクじゃないので、そこはもう少しなんとかできなかったのかー、とか。 BlondieとClashとIggy、連中にとってはそんなもんなのよ。

もちろん、ディズニー的な配慮というかジェントリフィケーション(?)はあって、ダルメシアンの皮を剥ぐような話(そこを抜いてどーする)は周到に(or わざと)避けられているし、セックスもドラッグもないし、最後はいつもの家族的な集団の神話に幸せそうに収まってめでたしめでたし、になるの。 そんなの始めからわかっていた - だから見ない、か、それでも見ておく、に行くか。

あの蛹の衣装、ランウェイで羽化するようにすればよかったのに。


京都のピピロッティ・リストに日帰りで行こうかなーと思って、でも現地にたどり着くまでのいろんなのを考えるとそれだけで疲れてしまうのでどうしたものか。 便不便でいうと英国の方がぜったい面倒なはずなのに、ね。へんなの。

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