9.05.2019

[film] Tinker Tailor Soldier Spy (1979)

1日、日曜日の午後、BFIで見ました。 2011年の映画版 - 『裏切りのサーカス』 - ではない、79年のTVシリーズが40周年でブルーレイで再リリース(この翌日に)されるのを記念して、最初のエピソードの上映と監督のJohn IrvinとPeter Guillam役のMichael Jaystonによるトークがあった。

小説(翻訳)を読んだ最初の頃(何年前だか考えたくもない)からGeorge SmileyをAlec Guinnessが – Obi-Wan Kenobiを演じたAlec Guinnessが、演じたのがある、というのは知っていて、ずううーっと見たかったやつ。

冒頭、サーカスの小さな会議室に主要人物全員が集まるところから。誰が先に来て待っているか、どんな服を着ているか、どうやってドアを開けて入ってくるか、何を手にしているか、座ってから何をどうするか、など登場の仕方に各キャラクターの性格や仕様がぜんぶ出ているので、この時点から十分におかしい。

そこからControl (Alexander Knox)より組織内のもぐらを探すように指令を受けたJim Prideaux (Ian Bannen)がチェコに飛んではめられて大騒動の末に捕まり、引退したばかりの萎れたSmileyの様子が描かれ、そんな彼をPeter Guillam (Michael Jayston)が迎えに行って、郊外のsafe houseに向かうとOliver Lacon (Anthony Bate)とRicki Tarr (Hywel Bennett)がいて、Ricki Tarrが喋るはじめる … とこで終わっちゃったのでみんな溜息ついた(もっと見たいぜんぶ見たいよう)。

とにかくAlec GuinnessのSmileyがすばらしくて、ああこれだわ、って。役作りにあたりJohn le CarréからMI6のほんものを紹介して貰って話をしながら学んだらしいが、それ以上に頭のなかでイメージしていたSmiley - ホームズやポアロと同じように誰もの頭にある、一見しょぼくれて冴えなくて、でも時折研ぎ澄まされた凄みを見せる - そのもの(ちょっと細いかんじはあるけど、少なくとも映画版のGary Oldmanよかぜんぜん)なの。

そしてAlec Guinness自身が人選をしたという主要キャストも(表面をなぞったくらいだけど)見事にはまっていて、Michael Jaystonさんは役のオファーを貰ったときは嬉しくてなにがなんでもやるぜったいやる! って即答だったのだと。

16mmで撮影されたという画面は人物の陰影もカット割りも含めてぜんぜんTVぽくなくて、グラスゴーで撮影されたというチェコのシーンもとてもそれっぽくて、映画の縦横比だったらすばらしいものになっていただろうなー。

組織の奥にまで潜り込んだもぐらを探す、そこには単純に裏切りの一言で片付けられないこみいった歴史と倫理と友情と背徳のドラマがあって、結果を暴くことでとてつもない代償を登場人物全員が負うことになって、しかもそれは報復という形で連鎖しくものだから、なにひとつとしていいことはない。というのがスパイ稼業の背負った業というもので、だから俳優さんも業を体現した風貌がすべてで、ここに出ている連中はとにかくよいの。

“Smiley's People” (1982) - 『スマイリーと仲間たち』も見たいなー。 でもDVD買うのはなー。

LFFのチケット、ぎりぎりでだいたい取れた。 まだいくつか悩んでいるのもあるけど。

明日の朝から2泊でNYいってきます。 今回はライブはなし。 美術館と本屋とレコ屋のみ。

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