Londonに来て 3ヶ月が過ぎてしまった。
あっというまでした、と書いてしまうであろうことは3ヶ月前から予測できていたよね。
いつ - 例えば明日に - 帰されても後悔しないようにしとかなきゃ、ということはずっと思っていて、そういうふうに後悔しないために見たり聞いたりしておかなきゃリストは膨らんでいくに決まっているから毎日いろんなところに行ったりするのだが、行けば行くほど積もっていってしょうもない。 ちょっとバカすぎる。
23日の日曜日の夕方、引越しでぐだぐだになったこころとからだを鎮めるべく、BloomsburyのCurzonでみました。
英語題は、”The Happiest Day in the Life of Olli Mäki” (2016)。
2016年のカンヌの「ある視点部門」賞を受賞したフィンランドのモノクロ映画で、日本では「オリ・マキの人生で最も幸せな日」という題で東京国際映画祭で上映されている(らしい)。
「ノリ・マキの…」 とやるとちょっとだけ村上春樹ふうになるかしら。
62年、ボクシングのフェザー級で世界タイトルマッチに挑戦した実在のフィンランド人ボクサー、Olli Mäki (Jarkko Lahti)と彼女、彼のトレーナーと、それぞれのタイトルマッチまでの日々 - 突然フィンランドの英雄のようになってしまった彼と彼女の戸惑ったりほんわかしたり切なかったりきりきりしたりの日々を描く。
実話だし、試合はあっさり負けちゃうし、ロッキーみたいなドラマチックな世界になったり、そういう出来事が起こったりするわけではなくて、特に体格や容貌に恵まれているわけでもないふつーの男がボクシングの世界で認められてほんとかよ、みたいな事態に巻きこまれていくなか、突然彼女との愛に目覚めてしまってどうする、それどころじゃないだろ今はタイトルマッチだろ、満たされてないで減量しろよ、などなどでおろおろあたふたする - そんな誰にも起こりそうな”The Happiest Day in the Life”のおはなしを丁寧に綴っていく。 60年代の恋人たちをセンスよく撮った写真集みたいなかんじ。
Olli Mäkiもよいけど彼女のRaija (Oona Airola)のふっくらした笑顔と仏頂面がすばらしく素敵で、彼が彼女にやられておっこちてしまうのがとってもよくわかるのだった。 ふたりで自転車漕ぎなんて定番中の定番なのに、それでも(見ているこっちが)やられてしまう、不思議ではないけど、やっぱり不思議かも。 なんだろうあれ。
最後、ずっと一緒にいることを決めたふたりがすれ違って通り過ぎた老人夫婦を見て、あたしたちもあんなふうになれるかしらね? ていう(そしてその老夫婦はほんもんのMr. & Mrs. Olli Mäkiであると)、それだけで見てよかったなー、でしたわ。
TVでとつぜん”The Grand Budapest Hotel” (2014) が始まってしまう。 月曜の深夜からやめてほしい。
5.01.2017
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