5.28.2017

[log] Toronto -- May 2017

トロントのおもひで、は実はあんましない。
過去に4~5回は行っているのだが、どの滞在のときも少ししかいれなくて、いつもMulti-Curturalな町、と説明されて実際にいろーんな人とすれ違うので、そうなんだろうな、くらい。 ふつうの会社の一画に缶詰になってずっと会議していただけで、いい会社のいい人たち、くらいなの。 それでぜんぜんよいのだけど。

天気はずっとよくて、暑くも寒くもなくて、食事はホテルのしかなくて(出かける気分になれない)、晩の7時くらいにそこの裏庭には大量のカナディアングースとその雛どもがどこかから湧いてでて、リスと喧嘩したりしてて、8時にはどこかに行ってしまった。
TVもJimmy Fallonはがんばって見たかったのだが23時ってロンドンの朝4時なので眠くて落っこちてしまった。

行きのBAがファーストになって、初めて行ったそこのラウンジで書き忘れていたのは、いろんな部屋とか区画があってわけわかんないのだが、トイレの個室にPeter Doigのほんもんがあったり、トイレを出たとこの通路にJulian Opieの連作がどかどか並んでいたり、他にもいろいろありそうだったが怖くなってきたのでやめた。あれ、雑誌みたいに持ち帰ってよければいいのに。

ファーストの座席はへんてこな操作パネルとかつまみがいっぱいで、そんなのいじって遊ぶほど子供ではないし、そういうのはいじっているうちに勝手に壊れてしてしまうことがなぜか多いので、そんなの知ってるもん、ていう態度でよいこにしていた。
ご飯は極めてふつうにおいしかった。 びっくりするほど、ではなかったかも。

行きの便でみた映画いっぽん。

A Monster Calls (2016)
原作は Patrick Ness の同名ファンタジー - 邦題は「怪物はささやく」(未読) - で、脚本もNess本人がやって、これをスペインのJ.A. Bayonaが監督している。 日本では来月公開みたいね。

13歳のConor (Lewis MacDougall)は具合のよくない母親 (Felicity Jones)とふたりで暮らしていて、母のかわりにむっつり家事をしてひとりでご飯を食べて絵を描いたりする以外はすることがなくて、学校にいってもみんなに虐められてばかり。 祖母(Sigourney Weaver)やアメリカで離れて暮らす父からはそれぞれの家に来て一緒に暮らすように言われるが、彼には全く納得がいかない。 ママを一人にするのか? と。でもママがそんなに長くないことは彼にもわかっている。

彼には時刻が12:07になると見る夢だか幻覚があって、それは自分の家もなにもかもが地割れの奥に消えてしまうというやつで、繋いでいる誰かの手を離しそうになって汗びっしょり、で目覚めるのだが、ある日そこにでっかい老木の怪物 - Grootが巨大化したようなやつ - 声はLiam Neeson - なんでああいう樹の声っていつも渋いじじいの声なんだろ? - が現れて、これから3つの物語を聞かせるからそのあとで、お前が4つめの話をするんだ、ていうの。 あんたの話なんて聞きたくないし聞く理由もないし構うな、ていうのだがいいから聞け、って無理やり聞かせるの。
でっかい木の怪物が動いて話かけてくるのも、その話の内容も、ママの病気も、いじめっこのいちゃもんも、Conorにとっては理不尽でぐちゃぐちゃわかんないことだらけで、子供と大人の中間にいる彼はそれにどう決着をつけるのか。

こういうのを大人の教条目線にも克服路線にも頼らずに混沌のまま差し出していて - 映画としてだいじょうぶか? くらいのことは思うのだが - Conorの風体も、所謂孤独なかわいい少年のそれではない、ずっとなにかに取りつかれたぎすぎす異様な目をしていて、Sigourney WeaverもFelicity Jonesも地球外にいるときの強さはまったくなくて、ひたすらやつれて打ちひしがれている。

結論はあそこしかなくて、切ないに決まっているのでなんかずるいわ、なのだけど。

帰りの便でもいっぽんだけ見た。 すぐにでも寝たかったのだが、ご飯食べないで寝ると後ですごく調子がわるくなるし、ここの便は寝過ごしたら後で持ってきてくれるほどやさしくないので、ご飯食べ終わるまでがんばって起きていないといけない。

で、”I, Daniel Blake” (2016)を見ようと思ったのだが冒頭のやりとりの英語(よね? あれ)でこれはあかんわ、て字幕をだそうと思ったのだが字幕も嫌がって出てくれないので、別のにした。眠くならなそうなやつ。

xXx: Return of Xander Cage (2017)
“Return of..”とあるのでシリーズものなんだな、と思ったが前のは見ていなくて、”Fast & Furious”のまるっこいほうのハゲ(どっちがどっちだかあんまし)が出ていて、でもSamuel L. Jacksonが出て来たのでAvengersなの? とか思っていると彼はいきなり落ちてきた人工衛星にぶつかってしんじゃって、その人工衛星を落っことした装置をめぐってのどっちが善玉でどっちが悪玉かよくわからない(わかんない言葉を喋るほうが悪)追っかけっことどんぱちが始まって、それはAvengersよりは地味で、“The Expendables”よりは若々しくて、”Suicide Squad”より溌剌としてて、Donnie Yenさんの立ち回りが見れたのでいいけど、あのハゲってほんとうに強いのだろうか? って。

Samuel L. JacksonはやっぱりAvengersと同じように死んでいなくて、ひょっとしたらこいつはどこまでも不死で、ひょっとしてひょっとしたら、The Last Jediっていうのはこいつだったりして、とか。

xXx、って結局なんなのかよくわかんなかった.. 

今日(27日)いちにち、BAはシステム障害とかで止まっていたらしいのだが、話を聞けば聞くほどおそろしいねえ。

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