4月29日の午後、SOHOのCurzonでみました。 強い女の子映画のいちにち。
原題は”Grave”(仏語) - フランス映画。
通勤の地下鉄の乗り換えの通路にこの映画のでっかいポスターが貼ってあって、それは真っ黄色をバックに右斜め上をこんにゃろーていう目で睨んで鼻血を 一筋垂らしている女の子ので、毎朝その前を通るたびにああ今日もがんばらねばという気になるのだったが、映画はそろそろ終わっちゃいそうだったので少し慌てて。
なかなか踏み切れなかったのは、予告とかレビューを見た限りでは血がたっぷり溢れる学園ホラーぽくて、人肉食のお話も入ってて、晩ご飯の前には見ないほうが.. とか書いてあって、苦手なネタばっかりだったからで、でも女の子の面構えの強さと青春学園モノぽいので見ておきたいし、ということでがんばってみた。 青春映画.. かなあ。たぶん。
ヴェジタリアンでアレルギー持ちのJustine (Garance Marillier)は両親に連れられて大学の獣医学部の寮に新入生として入るところで、そこには姉のAlexia (Ella Rumpf)もいるので安心できそうだったのだが、寮の新人歓迎の儀式がなかなかおっかなくてびっくりで、生のウサギの腎臓食べろとか言われて口に入れたけど戻しちゃって、その晩に全身に発疹がでてひどい状態になったり、でもだんだんに彼女の側にも(やばいのも含めて)変化が起こって馴染んで受け容れられるようになっていく.. かに見えて実はそんな簡単ではなかった。
どこまで書いていいのかわかんないのだが、追いつめられて首が飛んだり脚が飛んだりのスプラッターとか阿鼻叫喚じごくはなくて - 指はちょっとだけ飛ぶけど - なんとか見ることができた。 ベースはいろいろ不安定な女の子が苦しみながらもなにかを乗り越えてなにかを悟って少し前に踏みだす、という話なので見守らなきゃ、ていうのと、そこに学校とか寮とか姉妹関係とか家族とか圧迫してくるいろんなのが入ってくるのだが、最後の展開はえーそっちなんだー、みたいな。
ポスターになっているJustineのぴーきゃー決して泣き叫んだりしない、それがなにか? みたいなパンクな佇まいがあるのでよいのだけど、でも先の全身湿疹ぼつぼつ、とか、そのかいかい、とか、その皮むき、とか、姉妹で立ちしょんとか、ブラジリアンワックスびりびり、とか、肌感覚をじかに刺激してくるいろんなネタがてんこもりなので、そういうのが苦手なひとにはきついかも。
いろんな関係に縛られるなかで身体・肉が過激に/過酷に扱われて反応して、それでも。 例えば、大島弓子の世界を生々しく映像化しようとするとこの辺りまで行くのではないか。 こういうのを若い女性監督が撮ったって、なんか素敵かも。
IMDbにはスウェーデンでの上映の際、30人が席を立って、2人が気絶して、トイレで吐いちゃった人も、とか書いてあったけど、そこまででもなかったような。 でもいきなり見たらやはりびっくりかしらん。
上映開始が16:30で上映終わったら18時過ぎだったのでなにか食べないわけにはいかなくて、でもすぐにはなーと思ってレコード屋に移動して、そのあとでいつもの英国料理屋に入って、はっと気がついたらSweetbread(胸腺)を頼んでいて、指先大のぷよぷよしたのを頬張ってああ、とか思ったがやっぱりおいしかったのでどうでもいいや、になった。
あー「PARKS」みたいなー。
5.04.2017
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