5.03.2017

[film] Beauty and the Beast (2017)

Bank Holiday(てなに?)の三連休初日、4月29日の土曜日にVictoriaのCurzonで見ました。
ここ、でっかい画面も3Dもないのだが、4Kのすごくよい音と画面で客席がものすごくゆったり作られているのでとってもだらしない恰好でだらだら見ることができる。もう終わりそうなメジャーなやつをたまにやってて、ガキもいないし快適。

こっちに来て、映画は結構見ている気がするのだが、こういうブロックバスター上位のやつって実はぜんぜんカバーできていないのが謎。 "Sing"も見れなかったし。 他にそんなに見るやつがあるのだろうか、って。

ミュージカル(舞台)版はNYで90年代に、観光客のアテンドで見たおぼえがあるが、中味の記憶はほとんどない。なかった。

呪いをかけられて野獣になってしまったお城の王子 (Dan Stevens)がいて、村のみんなから好かれる本好きのBelle (Emma Watson)がいて、町にオルゴールを売りに出たBelleの父 (Kevin Kline)が帰りの道に迷ってお城に囚われてしまったことを知ったBelleが乗りこんでいって、野獣に父親じゃなくてあたしを囲いなさいよ、って強引に迫って居座ったらお城の器物とか備品のみんななんだかやさしくしてくれて、更に野獣の書庫の蔵書に目が眩んでここは天国だからここにいる! になるのだが、出ていかれた村のほうでは相手にされないGaston (Luke Evans)がむくれて魔女狩りじゃ、って村人と一緒に大挙して城に押し寄せていって妖怪大戦争みたいになるの。
ちょっとちがうかしら?

狼も野獣もしゃべって動く家具とかも、ほんとだったらすごくおっかないはずなのに、そっちはあんま怖がられなくて、でも気に食わないことに対しては恐怖を煽って魔女狩りをやっちゃうあたりの政治のありようはもろ現代だよね、とか。

あれだけ本がいっぱいあったら本好きはすぐに落とせるとおもうけど、でもあれだけ本読んでいるのに呪いにかけられちゃうってなんか間抜けじゃないか? そうかだから野獣なんだね、とか。

いろいろ突っ込みたいところはあるけど、これはひとを外見で判断してはいけません、野獣みたいなひとでも根はやさしい王子さまかもしれないんですからね、ていう「六つの教訓物語」のひとつなので外見で判断してはいけませんよ、ていうとなんでも許されてしまうというとこがきついかも。 でも王子になった途端につまんなくて物足りなくなっちゃったらどうするんだろう? このふたりはそっちに行きそうな気がとってもするのが心配で。

でもなー、ふたりが正装してダンスするシーンはもっと照明ちゃんとしてめちゃくちゃ盛りあげて燃えあがってほしかったのに。

Emma Watsonさんはちっとも悪くないのだけど、あまりに毅然としすぎてパーフェクトすぎてあれじゃどんな野獣だって王子だって劣等感抱いてしおしおになると思った。
子供がこれ見て、あたしBelleになりたい! ていうかなあ。ハードル高いかんじがするよねえ。
背伸びしないでAnna KendrickさんとかKristen Bellさんでコメディ仕立てにしちゃってもぜんぜんよかったのに。
それか、せっかくLGBTQ風味をまぶしているのだから、戻ったときにジェンダーもひっくり返って、それでも、とか。
どうせならぜんぶEmma Thompsonにしちゃう、とか。

主題歌、変わんないのね(そりゃそうか)。 でもあとで見たら歌っているひとが新しくなってた。
それに気づかないのは果たしてよいことなのかわるいことなのか。

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