20日の木曜日、イベントのクロージングでパネルがあって、そこに出てきたふたりの話をメモとして書いておく。 主催者とかスポンサーとかからは一切フリーなふうで、テーマは一応”Innovation”周辺、らしい。
最初に出てきたのがMalcolm Gladwellさんで、彼の話を一番聞きたかったの。
わたしはまだBlackberryユーザーなんですけど… と始まって、プレゼン資料とかは一切使わず、立って喋るだけのその姿はコメディアンのようにも見えなくもないのだが、今は偉人とされている人たちの”Innovation”がかつてSocialなところとの境界でどんな波風を立てたり影響を与えたりしたのか、について。
一人目は60年代、当時治癒率はほぼゼロだった小児の白血病の治療法 - 4つの薬を同時に与えるのではなく投与の順番を変えることで治療法を開発した - これが現在のChemotherapyの礎となった - Emil J. Freireich, Jrのこと。
彼のまわりで子供がばたばた亡くなっていくので周囲からは散々攻撃され、ナチスとまで呼ばれた彼は決して研究の手を緩めなくて、それを支えていたのは彼のなかにある” Sense of Urgency”だったという。
もう一人は誰もが知ってるSteve Jobsで、79年、Xerox PARCの研究所でGUIとマウス(鼠じゃないよ、ころころだよ)を見せられて、それまで仲間と進めていたLISAの開発を止めてもっと安価に提供できるGUIとマウスの開発に切り替えた。 この時の彼を突き動かしていたのも” Sense of Urgency”で、一緒にやっている人達からみたら”Disagreeable”なかんじで、この辺はあの映画にもあったけど、意固地で何考えているかわかんないふう、なんだよね。
最後のひとりは、IKEAを創ったIngvar Kampradで、スウェーデンで家具屋やっていたのにコストを抑えるためにポーランドから組み立て前のぺたんこな状態で配送することを考えた ? このひとも現状にまったく満足していなかった変なひとだった、と。
Malcolm Gladwellさんの次に出てきたのがKevin Kellyさんで、Wiredの創刊メンバーで、『テクニウム』とか『インターネットの次にくるもの』とか、日本でもゆーめーなひとよね。
次の25年でテクノロジーのランドスケープはどう変わっていくのか。
きたぞ大風呂敷。
スライド上にBig Questionをでーんでーんと放り投げ、その解を与えないまま次に転がしていく。
サービスのありようとか、その優位性が「所有」から「アクセシビリティ」に変わってきたところで、数十億の人達とデバイスが同時に繋がっている共時性/リアルタイム性が常態化した今を”Technological super-organism”と名付けて、我々は始まりの始まりにいるのだ、次の20年を代表するような圧倒的な発明はまだ生まれてきていない − 今からでも遅くはないのじゃ、ていうの。
じじい、あんたがやれ。 て会場の何名かは思ったはず。
3人目に出てきたのはサブスクリプション・サービスを始めたBrooklynのベンチャー企業のひとで、これからサブスクリプションの時代が来る! ていうのはとってもわかりやすいし、そうだよねえ、て思うのだが、なにかがちょっとだけ早すぎる気がしないでもない。 それはなんなのか?
で、この3人を置いたパネルディスカッションなんて纏まるものになるとは思えず、時間切れであっというまに終わった。 でもおもしろかったなー。
10.26.2016
登録:
コメントの投稿 (Atom)
0 件のコメント:
コメントを投稿
注: コメントを投稿できるのは、このブログのメンバーだけです。