2日の夕方、新宿で見ました。向こうで公開された時からずっと見たかったやつ。
邦題で見逃すとこだったわ。 『世界一キライなあなたに』
Will (Sam Claflin)はきらきらばりばりのヤングエグゼクティブで、ある朝つきあっている彼女を部屋に置いて仕事に出たところでバイクにぶつかる。 Lou (Emilia Clarke)は田舎のカフェで地味に働いていたのだがある日いきなり仕事を失う。 どんな仕事でも受けますやりますモードの彼女が見つけたのが、地元のお城に引き籠っているWillの介護で、両親も専任の医師も邸内にいるので簡単そうに見えたものの、事故で半身不随となってしまったWillの閉塞&ひねくれ具合は半端じゃなくて、おまけに元カノと親友が自分の介護を通して仲良くなって婚約という地獄の事態になったのを目にしてしまい、こりゃなんとかしてあげなきゃ、と焼け石でいろんな世話を焼いているとだんだん彼の表情が緩んで喋ったりするようになってくる。
彼女がいろんなお出かけやイベントを企画してふたりが親密になっていくところまでは少女漫画ぽい展開なのだが、やがて彼が自身の固い意思でもってスイスでの安楽死契約を結んでいることを知って、彼の決意は親でも梃でも変えられなくて、でもそれを知る頃には、それを意識すればするほど彼のことを想うようになって止まらなくなって、どうするLou、どうするWillなの。
一見よくある難病モノ or 難病 vs 奇跡もののようでいて、これは恋愛ものどまん中みたいなやつで、"Me Before You" - 君と会う前の僕 - 君と出会う前の僕が今の君と出会っていたら、ていうのは彼女の側では反転して、あなたと出会った後のわたしが昔のあなたと出会っていたら、になったり、つまりは、ひとは恋すれば変わるし、しなくても変わるし、どっちみちいつかは死んじゃうんだし、こんなふうに変わっていくのを変えることはできない。ぜったい。 じゃあどうすればいいのか。
「愛するんだ」「愛することはできる」と。
奇跡を起こすことはできないし、時間を止めることはできないし、ずっと一緒にいることもできない。
でも、だから - - 赤い糸も虎の穴も未来計画もない、そこらの安っぽい運命論を軽く蹴っ飛ばして、いま/ここにいるあなたに向きあうのよ、ていう恋愛のど真ん中に立ち返る強さと清々しさがあるの。
で、それを可能にしたのはLouの驚異的な眉毛とおでこの皺の動きと変てこな日々の服装なのだとおもった。
(あれはねえ、必見よ。あれがさいごにWillを救ったのよ。)
そんなLouとWillのあいだの恋の行方は、あれでよいのだろう。
こういうのを一般論でえらそーに言うことほどとんきちで野暮なことはないよね。
10.11.2016
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