8.19.2015

[art] 蔡國強 : 帰去来

7日の金曜日、あんまりにも暑いし前日に見た「野火」で、さあ殺せーいいから殺せーモードに入ってしまったので会社休んで、横浜に行った。 なんでこんな暑い最中にあんな遠いところに行ったのか、いまとなっては謎。よく憶えていない。

初めて行った横浜美術館で Cai Guo-Qiang : “There and Back Again”- 「帰去来」

Cai Guo-QiangはMetropolitan Museumのルーフでやった↓の串ワニが大好きで、

http://www.metmuseum.org/exhibitions/listings/2006/cai-guo-qiang

その後、2008年にGuggenheimでやった「壁撞き」 (2006) - “Head On” をようやく見れる、ということで喜んで出かける。 

最初の部屋にあった「春夏秋冬」(2014) は18禁で、入り口で入ろうかどうしようか悩んでいる親子連れがいて微笑ましかった。
この展示のために制作されたようで、でっかい4つの季節の絵、それぞれに花火で焼けて張り付いた草木の真んなかで一組の男女(たぶん)が同様に燃えているんだか燃え尽きているんだか、季節と共に燃え方も変わるのかとか、そういう見えそうで見えない系のエロさがあって、ここで肉とか手足がこんなふうにこうなってる、とか子供に説明するのはたいへんだから18禁にしたのかしら。

「壁撞き」- 99匹の狼が透明な壁(ベルリンの壁と同じ高さだという)に突進してぶつかって弾かれて、でも後から後から狼は突撃してくるので途切れないの。 でも99匹が撞き終わるときっと願いが叶うことになっているんだと思う。 狼の毛は羊のなんだねえ。 なんとか一匹ほしいなあ持ち帰れないかなあ、とか思いつつ群れの間で30分くらいうっとりしてた。 夜になったらぜったい動きだすんだろうなー。ちょっと吊られるの疲れたからおまえ替われや、とか。

あとはテラコッタの「朝顔」(2015) とか、入り口に焼きだされてびっくり顔のフクロウとか、きれいで端正で。


もっといっぱいあると思っていたのにあっという間に終わってしまったので、「赤レンガ倉庫」に行くことにする。 なんか遠そうだし、いったことないし、あっついし、実際にありえないくらい遠くて暑くて、しぬかと思ったわ。 そもそも「赤レンガ倉庫」ってなんなの? なんであんなあっついとこに暖炉みたいな赤レンガがいるの?

目的はもちろん、限定で復活しているらしいパイドパイパーハウスで、でもあのお店がまるごと複製されているわけではなくて、隣でやっている展示のミュージアムショップみたいなかんじでCDとアナログが少々。
青山のお店に通いだしたのは83年か84年くらいからで、そのころは主に米国盤とか60年代のを買うのはここで、英国のを買うのはCISCO、という使い分けが、なんとなくあった。
あと、ここに来るとなんでか必ずお金がなくなってしまうので、一緒に行った人にお金を借りてばかりで本当に申し訳ないくずのろくでなしだったと思う。 デートにはぜんぜん向かないお店だよ(店のせいにする)。

ここが突然なくなってしまったときはほんとに悲しくて、レコード屋でも本屋でも、お店が消滅する、というのはほんとうにつらいよねえ、と改めて思った。 だからこないだの池袋の(旧姓)西武ブックセンターも行かなかったし、もうじき嶋田洋書も…

おみあげになんか買おうかなー、と思ったがなかなか決まらないので、横でやっていた「70'sバイブレーション!YOKOHAMA」ていうちょっと恥ずかしめのやつにとりあえず入ってみる(有料でした)。 わたしは歳の区分けでいうとたぶん80'sなのだが、やたらこういう世代論文化論みたいなとこに持ち込みたがる70's野郎が昔からだいっきらいで、でも70’sの終わり頃はなんとなく憶えているなー、ということを思いだした、程度。 YMOの機材とか見て。

いまもあるのかしらんが、船橋西武の家電売場兼レコード売場で、当時成りあがりまくっていたこの時期のYMO(6人編成)のライブ映像をえんえん流していて、レコードぱたぱたしながらなんとなく横目で見ていた。当時がっこうのかっこつけ連中は大抵YMOを聴いていたが、わたしは誰が聴くかそんなもん、て断固拒否して、CabsとかTGとかNEU!とかを聴いていた。 主にレコードを買っていたのは西武ではなく線路を跨った反対側にある東武のほうで、五番街、ていう今にして思えばなんでデパートのフロアのはじっこにあんな変な輸入盤屋があったのか謎でしょうがないのだが、壁にはRIOもプログレもTGもSuicideもとにかく子供には見たことないようなのがいっぱい貼ってあって値段も高くて見あげるしかなかった。レジのとこにはハルメンズのライブのチラシとかが積んであったの。

タイムトラベルできたらあの頃のこのお店に行くんだ。 で、そこでうろうろ時間つぶしてるぼんくらに「やめなさい」って言ってからレコードいっぱい買う。

ていうようなのがわたしの70’s。 もろ現役だった人にはもっと楽しい展示だったことでせう。

ハイドパイパーハウスでは、結局みんなが買っているらしいHirth Martinezの7inchを買った。
貼ってあったVan Dyke Parksの来日コンサートのポスター。中野サンプラザ行ったねえ。

年代の話をもう少し。
こないだ「グランドショウ1946年」を見に神保町に行ったとき、古本屋で90年代雑誌”RAY GUN”を何冊か買ってぱらぱら見ていたら出てくるバンドも盤も胸が痛くなるくらい懐かしくて、自分は自分のことをずっと80’sのひとだと思ってきたのだが、音楽との関わりかたでいうと80’sてレコードとペーパー中心で、90’sの92年から98年のほうがライブに浸っていた数は断然多くて、そういう関わりのなかで回顧される場所と時間て、例えばこの70’s - YOKOHAMAとはなんか違う気がするのだが、それって単に展示だからってだけか?

とか考えながらアテネフランセに向かったの。

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