連休最後の21日の午後、イメージフォーラムのマルコ・ベロッキオ特集で見ました。「肉体の悪魔」。
連休はもうほんとにだめでしんでて、1日いっぽん見るのが精一杯だった。 お片づけ? ふん。
ラディゲの原作はおおむかし中学のころに読んで、もちろんこれっぽっちも残っていない。
でもこんなお話しだったかなあ? (←おきまり)
高校生のアンドレア(Federico Pitzalis)は授業中、学校の屋根づたいに飛び降り自殺騒動を見て、そのむこう側に立っていたジュリア(Maruschka Detmers)に一目惚れして追っかけて逢瀬を重ねるようになる。 のだが彼女には大金持ちでやかましい母親と政治犯で収監されている婚約者がいて、しかも精神科医である父親の患者でもあって、それは許されない恋であったとさ。
周囲のいろんな大人が柵や囲いを作って行くなと言うものの、そこにそんな境界があるわけではなく、女の尻を追っかける熱病のような情熱と刹那があるのみ。それを肉体の悪魔と呼ぶのか、と。
未成年のガキが許されない恋を通していろんなことを学んで悶え苦しむ、ということよりも肉と性の快楽に溺れて暴走するさかりのついたガキ、というほうがイタリア映画としてはふさわしいかんじがして、アンドレアもジュリアもその期待にじゅうぶん応えるふうに輝いている。 思春期の性の暗さも震えも湿気も貧乏くささも微塵もないのはすてき。
わたしがゴダール作品のなかで”Prénom Carmen” -「カルメンという名の女」がとりわけ好きなのはMaruschka Detmersさんが出ているからで、あの映画にはさかった野郎に男根をつきたてられるシーンがあったし、あのなかにも精神病院は出てきたねえそういえば。
夜中アンドレアが学校の壁よじ登って屋上に出たら満月で猫がわらわらいて屋根伝いにジュリアの部屋にいってセックスしてもりあがっていくシーンはすばらしいったらない。
ベロッキオの映画って、“Vincere” -『愛の勝利を ムッソリーニを愛した女』もそう思ったけど、エロいところはなんかとってもエロいねえ。
ファッションやインテリアも含めた色彩がよくて、白と赤と青の組み合わせがおしゃれなこと。
80年代中期のよいかんじが凝縮されているような。 でも今の感覚からしたら変なのかしら。
7.27.2014
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