7.10.2014

[log] July 10 2014 (2)

ブリュッセルからの飛行機は30分遅れくらいで飛んですんなりヒースローに着いてしまった。
雨は降っていない夏のロンドン。 ターミナル5なので、Paul Smithのお店で本とか買って、お腹そんなに減っていなかったのでGordon Ramsayは諦めて、BAのラウンジにはいった。

ここのチーズのセレクション(3種)はほんとにすばらしくて、硬めのクラッカーもおいしくて、これでワインとか飲めたら… 飲めたら飛行機なんて乗りたくなくなるとおもう。

ここからシアトル。ロンドンからシアトル。 レコード屋とライブハウスを巡る旅だったらどんなに素敵なことでしょう。 でも仕事なんだよ。


行きの羽田からヒースローまでのBAで見た映画をすこし。

Frank (2014)

Jon (Domhnall Gleeson)はミュージシャン志望のうだつのあがらない若者で、頭に浮かんだのを曲にしようと思ってもうまくいかずにもんもん過ごしてて、そんなある日、海岸で入水自殺をしようとして病院送りになった男のバンドから替わりのキーボードとして今晩のギグに来ないか、と言われてライブハウスのリハに行ってみると、そこにいたのがバンドとFrankだった。 Frankはバンドのヴォーカルで、頭に張りぼてのでっかい被り物(どんなのかはWebで探してね)を付けていて、それを取ろうとしなくて取ることもできなくて、だれも素顔を知らないし表情もわからない。
でも音楽だけは天才で、彼から出てくる歌はそのまま極上の音楽になる。 Jonはそのまま田舎の一軒家でのレコーディングに付き合うことになって、マネージャーの自殺とかいろいろあって、やがてバンドはやがてSXSWに向かうのだが、現地でバンドは分裂、Frankは行方不明になってしまう。

Jonの、バンドの成長譚と、謎に満ちたFrankの存在と彼の抱える哀しみと音楽と、いろいろ、でもちょっと暗めにひねくれた英国の青春/音楽映画としてとてもよかった。 バンド仲間と音楽があれば幸せとかほざいている日本のガキ共に見せてやれ。

どうせわかってしまうので書くと、FrankのなかにいるのはMichael Fassbenderで、深いバリトンで歌われる歌はなかなかすばらしい。あと、バンドメンバーとしてMaggie Gyllenhaalがいて、バンドのドラムスでちょっとだけ演技もしているのはAutoluxのCarla Azarさん。 なので、バンド映画として見たときの出音とか演奏風景のクオリティはすばらしくよい。そのままバンドデビューできるくらい。

Domhnall Gleesonくんは、”About Time”に続いて大人になりきれないぼんくらで、これが”Brooklyn”だとどうなるのかしら。


The Angriest Man in Brooklyn (2014)

これはアメリカ映画だけど。
Robin Williamsが癇癪もちの在ブルックリンのおっさんで、毎日頭にくることばっかしで、脳検査の結果を確認しに病院に行くとそこにいたのは、いつもの主治医ではなく代役で回されてきたMila Kunisで、彼女も猫がアパートの窓から飛び降りたりしてものすごくダークになってて、よくなかった検査の結果について、どれくらい悪いんだ教えろってがーがー言われた彼女はつい、あと90分よ、90分の寿命、て返してしまう。

もう夕方だったので、生きられるのは夕方6時すぎくらいまで、と彼は絶望して放心して町中に出て行ってしまい(病院側は大慌て)、別れた妻(Melissa Leo)に会ったり、幼馴染に会ったり、喧嘩してた息子(Hamish Linklater)に会ったりしながら自分を見つめ直して、みたいな心あたたまるホームドラマなの。

ぶちきれまくるRobin Williamsとそれに逆ギレしてわめきちらすMila Kunisのコンビは悪くなくて、でもあの勢いとテンションのまま最後まで行ってほしかったかも。へんにあったかくしなくていいから。  でもやっぱし、怒るのはよくないよね。

自分がそうなったらどうしようか。 90分じゃ映画1本も見れないから、中古レコード屋行ってカードでものすごい値段のいっぱい買ってふんぞりかえる、くらいかなあ。(殴)

主人公が彷徨う歩くブルックリンのFlatbush近辺のごちゃごちゃしたかんじはよかった。(マンハッタンの雑踏とはまたちがうの)


Cuban Fury (2014)

もういっかい英国映画にもどる。

子供の頃にサルサの魅力にやられて、いろんなコンテストで優勝しまくっていたのに大会直前のアクシデントがきっかけでもう踊るのを封印したまま大人になったのがNick Frostで、いまは機械メーカーのサラリーマンで、新たにやってきた女上司(Rashida Jones)がサルサ好きというのを知って、Mix Tape作ったり、ダンス教室に行ってみたりして彼女の気を惹こうとするのだが、以前のように身体はいうこときいてくれないし、同僚(Chris O'Dowd)はねちっこく妨害してくるし、いろいろたいへんなの。

かつてのサルサの師匠とか恋の指南をしてくれるサルサ教室のおかまさんとかそれぞれにおもしろくて、“Shall We Dance?” よりも好きかも。 Nick Frostがはじけたようにぶんぶん踊りまくるし、特に駐車場でのChris O'Dowdとのダンスバトルは必見。

アナログ盤とカセットでサルサのMix Tape作るところがいいのね。インナーもこまこま描いて。 John Cusackかおまえは、とか言われたりして。

ハリウッドでリメイクしてもおもしろいだろうなー。いろんなキャストがいくらでも浮かんでくる。


さて、シアトルまでの滞空時間は9時間くらい。なにを見ようか。 (いや、はしゃいでないでねろ) 

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