7.23.2014

[film] Divergent (2014)

17日の木曜日は朝から人間ドックで、いまの身体とか脳みそとかで具合が悪くなっている箇所があるとしたらそれはぜんぶ仕事のせいだとおもうのに、血を抜かれたりスキャンされたり輪切りされたり電極貼られたり揉まれたり叩かれたり変な汁飲まされて撹拌されたり、とってもひどい目にあって、でもそれもまた仕事みたいなものなのだ黙って管理されとけ、という屈辱的なお仕置きをたっぷり味わってつくづくいやになったので午後も休んだ。

国立新美術館で「魅惑のコスチューム:バレエ・リュス展」を見ました。
(オルセーのほうは、別にいいやあ、とか)

Ballet Russesは、2010年にV&Aで”Diaghilev and the Golden Age of the Ballets Russes, 1909-1929”ていうでっかい回顧展を見ていて、あれの規模と比べたら酷かもしれないけど、もうちょっとがんばってほしかったかも。 あれじゃ「総合芸術」の欠片も、当時のアートシーンばかりか今のバレエとかモダンにも影響を与え続けている革新性もわかんないただのマニア向け骨董衣装展、だよねえ。

で、美術館のあと、六本木でみました。

なにがあったか知らんが、柵で囲われ廃墟だらけになった近未来のシカゴでは5つのFaction(共同体) - Dauntless(勇敢), Erudite(博学), Abnegation(無欲), Candor(高潔), Amity(平和)によって仕切られていて、それぞれのFactionで育った子は大人になるときに性格診断を受けて自分の共同体を選ぶことができる。Abnegationの家族で育ったTris(Shailene Woodley)が試験を受けたら試験官(Maggie Q)があんたの結果はレアで分類できなくてやばいのでAbnegationにしといたから、て言われる。 結果を見たわけでもないし、どんくらい違っててやばいのかわかんないのだが、とにかくあたしは異端者(Divergent)なんだ、とTrisはFaction選択の儀でDauntlessを選んで修行の日々が始まるの。

Trisが「Dauntless - 勇敢」に入るために地道に訓練していく前半はなんかたるい。 Enderのように天才なわけでもKatniss Everdeen のように弓がすごいとか特技があるわけでもなく、表面は地味などんくさい女の子が這いつくばりながらがんばる、でもすごい進化とか天啓とかが現れるわけではないの。 ただ自分は自分の意思で「勇敢」に入ったのだから「勇敢」のひとになるのだ、という信念と根性、それのみ。

その努力が認められてFour (Theo James)との距離が近くなり、Eruditeの陰謀が明らかになるあたりからぐいぐい面白くなっていく。
なにか突飛な、とんでもないことが起こるわけでもないのに、ストーリーとしてはぜんぜん無難なだけなのに、銃撃戦のなか、ママ(Ashley Judd)と出会うとこなんて盛りあがるし、Ashley Juddかっこいいし、後を追うパパの後ろ姿だって。

ここに描かれた5つのFactionに分けられた屑みたいな世界はなにがどうなってそうなったのかとか、そこにおいて「異端者」だからどうだというのか、”The Hunger Games"以上に腑におちないことおびただしいのだが、Trisのまっすぐな目と自分の将来を決められるのは自分だけなんだ、そうに決まってるんだ、ていう強さはなんか清々しくてすてき。

彼女の戦いがこれから革命のほうにいくのか抗争のほうにいくのか、原作を読んでいないのでぜんぜんわかんないのだが、全体としては、純情やくざモノ、ということでよいのかしら。(ポスターの入れ墨とか、列車とか)

しかし、"The Spectacular Now"を見ていればTrisがPeter (Miles Teller)を撃つシーンでぜったい喝采するし、"The Fault in Our Stars"を見ていれば「お兄ちゃん(Ansel Elgort)… 」とか思ってしまう。 この人たち、ライジングスター、て呼んでいいの? (それにしてはなんかゆるゆるな…)

というわけで、人間ドックの結果がDivergentだってかまうもんか、と。

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