7.18.2014

[art] Making Colour

7日のLondon、4時過ぎに1時間くらい空いたので、地下鉄でCharing Crossに向かい、National Portrait Galleryで"Virginia Woolf: Art, Life and Vision"を見ようと窓口に駆けこんだら、11日からだよ、と言われて思いっきり踏み板外されて、くやしかったのでカタログだけ買って、隣のNational Galleryでやっていたこの企画展をみた。

西洋絵画で使われている色・絵の具がどこからどんなふうに調達され「発明」され、時代と共にどう変わっていったのかを具体的な展示作品と共に追っかけてみる。

各部屋は色別に分かれていて、最初に概要紹介のようなかたちで昔の色チャートや、印象派で使われていた基本色(案外少ない)とかターナーの絵の具箱とかがあって、そのあとBlue, Green, Yellow and Orange, Red, Purple, Gold and Silverの部屋を順番にまわる。

これらの色がどんなもの(例えば鉱物)から抽出されて絵画に使われる絵の具として認知され流通するようになり、新たな色の発見や試用に試行、ブレイクスルーみたいのはどこでどんなふうになされていったのか、それはその時代の技法・手法にどんな影響を与えたのか、そこに当時の科学(化学)や宗教や文化はどう絡んでいたのかいなかったのか、などなどなど。
むかしむかし、青色の主原料だったラピス・ラズリの鉱山はアフガニスタンにあって、とかいう説明を読むと、へえー、なのだった。

展示作品は基本National Galleryの収蔵品で、そんなに有名なのはなかったが、青の部屋にあったSassoferratoの"The Virgin in Prayer" (1640-50) とか、赤の部屋にあったDegasの"Combing the Hair"(1896) はなかなか鮮烈ですばらしいものでした。
フェルメールの色の解析はこないだのここの展示"Vermeer and Music: The Art of Love and Leisure"でもやっていた気がしたが、例えば17世紀オランダ・フランドル絵画の色彩(あの、狂ったみたいなやつら)の謎を掘る、みたいのがあったら見たいなあ。

まあ、これはテーマとしてはものすごいでっかいもんなので、以下の記事にもあるように次から次へといろんな疑問が湧いてきて止まらなくなるのだった。 あくまでも入口、とっかかり、という程度で。

http://www.theguardian.com/artanddesign/2014/jun/22/making-colour-review-bright-idea-on-paper

でも絵画を色で集約、構成しなおしてみる、っておもしろいねえ。 ひとくちに青といっても、赤といっても、ひとつとして同じようなのはなくて、その調合でその絵のトーンが決まってしまう。 あたりまえだけどさ。


これは西洋絵画だったが東洋絵画だとこれとはまったく別の経路とか視座(仏教とか)が出てくるはずで、収拾つかなくなってしまうかもしれないけど、見てみたいなー。

終わって、時間がまだあったのでこの近所のICA(Institute of Contemporary Arts)の本屋(ここ好き)に行ってみようと思って行ったら、月曜日だから、とCloseしていて、ぷん、てむくれて戻ったのだった。

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