15日、日曜日の朝9:30に新宿で見ました。 日曜の朝からこんなの見ていいのかよ、だったのだが、もうこの時間しかやっていなかったし、午後は仕事だったのよ。「恋するリベラーチェ」。
Steven Soderbergh、"Side Effects"で映画つくるの止めたと言っていたのに、これはHBOのTVだから、とでも言い訳するつもりだったのか、とか最初は思ったけど、実際には映画公開するつもりで撮り始めたものの内容が"Too Gay"ていうことでHBOに払い下げられたのだと。 なんだかんだ言ってもぜんぜん、ばりばりの映画なんですけど。
米国に実在したピアノエンターテイナー、リベラーチ(映画ではそう言ってるような)の生涯を彼に拾われ、愛されて捨てられたスコットの目線で描く。題名の"Behind the Candelabra"はその暴露本のタイトルでもある(正式には"Behind the Candelabra: My Life With Liberace")。
リベラーチがMichael Douglas、スコットがMatt Damon。 田舎でドッグトレーナーをしていたスコットがゲイの友人に誘われるままにリベラーチのライブを見てぽーっとなり、彼に紹介されてその宮殿のような家で暮らすことになり、夢のような蜜月のあとにやってくる猜疑、倦怠と修羅場、そして放擲と別れと。
アメリカの田舎の子が都会の大人の世界を知って痺れてあがいてそこを出てなにかを学ぶ、そういうラインと、彼の目からみた底知れぬエンターテイメントの、エンターテイナーの光と闇、というラインとがあって、ここにはあまり新しいものはなくて、ちょうど"Magic Mike"と同じような構造だとおもうのだが、中心のふたりがゲイで、その間には絶対的な上下関係があって、まだ世間は今ほどゲイに寛容ではなかった、というあたりが違っていて、ちょっとイビツなかんじはする。
けど、ふつーに泣ける(よね?)恋愛ドラマではないかと。 延々続く痴話喧嘩とか最後の最後に訪れる赦しとか。
そうはいっても、これはなんといっても俳優の映画で、老いて怪物のようにでろでろ変貌していくMichael Douglasと10代から20代までのスコットを「それがなにか?」という厚顔無頓着な、なんともいえない西海岸的軟度で演じきってしまったMatt Damonがすごすぎる。
Michael Douglasを後ろから攻めたてるMatt Damonの図、なんてそんなもの、見たい見たくない以前のところで、ありえるとは思えなかったわ。
かんじとしては"Boogie Nights" (1997)あたりとも近いかも。
どうしようもなく猥雑でろくでなしで自分のことばっかりで、でもなんか憎めなくて切ない衣を纏ったでぶの男たちのお話し。
12.22.2013
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