12.30.2013

[film] Simon Werner A Disparu... (2010)

28日の晩、"Laurence Anyways"のあと、ユーロスペースで見ました。
『消えたシモン・ヴェルネール』。タイトル憶えられなくて、「消えたシモーヌ・ヴェイユ」とか勝手に呼んでた。

92年のパリ郊外の高校で、シモンがいなくなった、しかも教室からは彼の血痕が… と話題になるなか、シモンの周辺にいた4人 - ジェレミー、アリス、ラビエ、そしてシモンのそれぞれに絡みあった数日間の動静を追う。生徒同士のあれこれ、シモンに続けていなくなる何人か、恋人、教師、サッカーのコーチ、などなど、人々はみんなそれなりに挙動不審で怪しげで、シモンはどうなったのか、もし殺されたのだとしたら誰が…

物語のまんなかにあるのはジェレミーの誕生日の晩、彼の自宅でのパーティと彼の家の横手にある森 - そこですべてが明らかになるのだが、4人の4つのエピソードを束ねて組みあげる手つきが見事で、おもしろかった。(こういうミステリーてあんま見ないせいかしら)

郊外、森、高校、ていう微妙に不気味な舞台設定に加えて噂とか陰口とかの連鎖が生徒たちの間に疑念と猜疑の渦を生み、でもそこに警察や探偵が現れるわけでもなく、彼らは彼らのサークルでの日々を過ごしていくしかない、その身動きのとれない中途半端なかんじも含めミステリーというより学園ドラマとして見事だとおもった。
携帯もなく、音楽もまだアナログだった時代の学園に暮らした子供たちの。

音楽はSonic Youthが全面に、と宣伝文句にもあるのだが、冒頭のパーティで(更にそのあとのフラッシュバック数回で)、がんがんに響き渡るのはKilling Jokeの"Love Like Blood" (1985)で、映画全体のトーンを決めているのもこの曲の刺さるようなギターのリフのほうで、しみじみかっこいいよねえ。
この曲かけてがんがんに盛りあがるパーティ、ていうのもなんかすごいけど。
他にはTom Waitsの"Somewhere"なんかもかかる。

犯人あれじゃねえか、と思ったのが当たったのでうれしかった。


0 件のコメント:

コメントを投稿

注: コメントを投稿できるのは、このブログのメンバーだけです。